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    基本給の値上げ 経済環境整備の重要性高まる

    2017年7月21日

     
     
     

     人手不足でパートやアルバイトを中心に賃金が上がっている。より良い待遇を求めて転職する動きが増えれば、企業は人材確保のために賃金を上げざるを得ないとの見方もある。ただ問題は、持続的に賃金が上がっていくかどうかだ。人件費負担が重くなり、中小企業は賃上げの余力が乏しくなる心配がある。運送業でも人材確保などを目的に賃上げを検討している企業は増えたが、一歩踏み出せない理由は他にもあるようだ。
     正社員の賃金は、ここ何年も期待されるほど伸びなかった。その背景には、経営者の多くが一度賃金を上げると、後で下げるのが難しいと考えているという問題がある。実際に賃上げを検討している企業は、どれだけあるのだろうか。
     帝国データバンクが2017年初めに実施した調査では、2017年度の賃金改善が「ある」と見込む企業は51.2%で、前回調査(2016年1月実施)を4.9ポイント上回った。調査開始以降で初めて5割を超え、過去最高を更新。賃金改善が「ある」と回答した企業を業界別にみると、「製造」が最も高く、「建設」「サービス」「運輸・倉庫」が続いている。2016年度には65.6%の企業が賃上げを実施した。


     社員の賃金の伸びが弱いのは、上がっていく基盤に不備があるためだ。そこを整えなければ、人手不足の追い風も生かせない。先行きの不透明さを背景に固定費増加を敬遠する企業の慎重な姿勢など、長期にわたる景気の停滞と物価の低迷が経営者の考えを縮小均衡路線へと加速させている。
     今年に入り、基本給の値上げを実施した滋賀県内の事業者社長は、「何十人もいる社員の基本給を上げるのは大きな決断だった。賞与(一時金)で社員に還元するという方法もあるが、労働力の確保・定着のために基本給へのてこ入れは必要と感じた」と話す。
     大阪府内の事業者社長は、「賃上げなどの労働環境改善は、すべて運賃問題に終始する。安価でかつ過剰なサービスを提供しないとビジネスが成り立たず、仕事が増えるのに給料が上がらないという異常な状況の陰で泣いていたのが社員」とした上で、「大手宅配業者の相次ぐ運賃値上げ発表が、業界内で良い追い風となっている今、賃上げも値上げもできずにいた運送業をはじめとするサービス業が転機を迎えている。人件費を犠牲にして過剰な価格競争を仕掛けるような企業は生き残れず、社員に見捨てられる」と話していた。
     業績改善を背景としない賃上げは限界に近づいている。企業が賃上げを継続的に実施するためにも、国も企業の業績が上向くような経済環境を整えていく重要性が高まっている。

     
     
     
     
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