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    滋賀運送 DMTIIに期待「日本の物流、大きく飛躍へ」

    2017年9月26日

     
     
     

     人材不足や輸送の効率化など、新たな課題が次々と投げかけられる物流業界。ライバル同士だった企業が物流における共通の課題を解決するため、共同輸送を展開し「競争から協業」を生むなど、物流は社会においての存在感が増している。そのような物流業界の諸問題を解決するシステムが、以前から構想されていた。滋賀運送(髙尾庄一社長=写真右から2番目、滋賀県甲賀市)の丸山清会長(同中央)が海外で構想を得て、実現に向けて動いている「デュアルモードトレーラー(DMTⅡ)」だ。同システムに寄せる期待や展望を、丸山会長と髙尾社長に聞いた。
     デュアルモードトレーラーとの出会いはアメリカだった。丸山会長と髙尾社長がアメリカへ物流の視察へ赴いた際、モーダルシフトで日本より進んでいるアメリカにおける同システムの現状を目の当たりにした。その後、改めて渡米した際は、トレーラを詳しく見て回ったという。丸山会長の「日本でぜひ実現し、日本の物流を大きく飛躍させたい」という熱い思いとともに誕生したのが、DMTⅡである。
     DMTⅡでは、貨物列車とトラックがトレーラを共有することで、ターミナルでの積み荷の積み替え作業が不要になることが大きな特長だ。それを可能にしている秘密は、連結部分のボギーにある。「荷物を積んでターミナルに到着したトラックは、あらかじめ線路上に準備されたボギーへ、トレーラを連結させる作業を行う」と髙尾社長は説明する。


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     連結作業はエアサスによる簡単な作業で可能。アメリカではわずか2時間で150両の連結が行われている。後は、連結したトレーラの先頭部分を機関車に連結すれば準備が完了。DMTⅡの専用トレーラは陸上輸送のみでも活躍する。
     中小・零細企業が大多数を占める物流業界で、長距離の輸送が現場のドライバーに過酷な労働条件を強いている現状がある。そのような中、再び注目されているのが鉄道輸送へのモーダルシフトだ。
     モーダルシフトの考え方は1980年代からすでに存在していたが、一時、普及に向けての勢いが衰えていた。しかし、物流業界を取り巻く環境の変化から復権の兆しが見え始め、昨年2月には「モーダルシフト支援法」ともいえる、「改正物流総合効率化法案(流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律案)」が閣議決定され、同年5月から施行されている。
     モーダルシフトの好調などを受け、JR貨物の鉄道事業が2017年3月期決算で初の黒字化を達成し、話題となった。丸山会長は「今こそ鉄道輸送復権の好機。官民挙げて輸送業務の効率化を行い、物流業界の将来を安定させる必要がある。物流は経済の大動脈であり、モノがスムーズに流れなくなれば、経済活動の大きなボトルネックとなる」と話す。
     DMTⅡを使用し、物流を改革する「グリーン物流ネットワーク構想」では、全国14か所に鉄道ターミナルを設置予定で、日本のほぼ全域をカバーする。幹事社として選定される運送事業者がターミナルを拠点とした半径150kmにおいて荷主と契約。集荷と配達は幹事社の配車で、そのエリアの中小運送事業者と連携し運営する仕組みだ。
     同システムに再びスポットライトを当てるきっかけになったのは、業界全体で問題となるドライバー不足だ。「運び手不足で、1人当たりの仕事量が増え、さらに手待ち時間の増大など、現場に負担を強いている。ほかの運送事業者もドライバー不足が深刻と聞くことが増えた」(丸山会長)。
     「今後、小口荷物取扱件数増加の一方で、物流が崩壊する恐れがある」と髙尾社長。「トラックドライバーの負担を少しでも軽減させ、物流業界を目指す人材を増やしていく必要がある」という。
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     グリーン物流ネットワーク構想から約10年。現在、大手宅配会社の配送料値上げをきっかけに、運賃値上げの機運が高まりを見せている中で、時代の流れが輸送効率化にとっても良い追い風となっている。丸山会長は「今の時代だからこそ構想を実現させたい。環境、安全、正確、顧客満足など全ての課題が解決できると考えている」とし、「今後、このシステムを日本全国に広め、賛同者を得ていきたい」と話した。
    ◎関連リンク→ 滋賀運送株式会社

     
     
     
     
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