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物流ニュース
人材、車両不足を知らぬ荷主 いまだ運賃値下げ要求
2017年9月25日
大阪市港区に本社を構え、冷凍食品などの輸送・保管を展開する運送A社は「もともと傭車として使い、月に数百万円の支払いのある運送会社が、ウチの荷主に運賃値下げの営業を行ってきた。荷主は当然、ウチに対しても値下げを求めてきたが、昨今の労働時間短縮に伴う週休2日制の導入や人件費の高騰などから、現状の運賃値下げを断った」という。結果、その運送会社が取引を始めた。「ウチとしても、すぐにすべての仕事を断ることはできないので、現在は見て見ぬ振り。当然、今後も車両不足は目に見えており、さらには新たに取引を開始した運送会社も、現状では採算性に問題があるため繁忙期に何らかの動きがあるだろう。そうなれば傭車先への反撃も考えている」と話す。
また、A社社長は「状況を把握していないのか、安ければいいと考える荷主もいる。車両を手配できなければ自社の商品を配送できなくなり、かえって大きな損害を被る。もう少し業界事情を勉強する必要がある。安くして入る運送会社は閑散期だけ。繁忙期になれば運賃値上げや撤退することになる。運賃の高いところに車両を提供するのが運送会社。荷主も状況を見極める判断力が必要」と話す。
大阪・堺市に本社を構えるB社でも「海コン輸送は、これ以上運賃が安ければ成り立たない。車両不足から値上げを求める同業他社も出てきた。しかし、いまだ一部の荷主は安い運賃での取引を求めている。ウチも荷主から見積もりを求められたが、現状よりも高い運賃を提出した。荷主は高くて取引できないとして、大幅に値下げした運賃を提示してきた。その理由として出してきたのが、以前、取引していた運送会社の運賃。その運送会社は安い運賃にたまりかねて取引を辞めているのに、同じ運賃を提示してきているということは、人手・車両不足が理解できていないということ」という。社長は「ウチでは断ったが、運送会社の中には閑散期を理由に請け負う可能性もある。業界全体が意識を高めて、運賃値上げに努めることが必要」と語った。この記事へのコメント
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