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    OCHIS 検診の受けっぱなし打破へ「運輸ヘルスケアナビシステム」

    2017年10月18日

     
     
     

     ヘルスケアネットワーク(OCHIS)では、全ト協の健康管理支援事業「運輸ヘルスケアナビシステム」の業務委託先として実証実験を実施し、その中間結果をまとめた。実証実験から見えてきたトラック運送業の実態について、作本貞子副理事長に聞いた。
     事業主に課せられた安全配慮義務を遂行しなければ、経営までもが揺らぐという現実は、もう「対岸の火事」では済まされない。「義務を達成するためには、事業主は定期健康診断結果に基づき、再検査、精密検査、さらに受診までの指導と、その結果に基づく就業上の措置を取らなければならないことも周知の通り」と作本副理事長は話す。「『うちは(健診を)全員受けさせていますよ』と胸を張っていても、従業員の健康状態(ハイリスク者)が見えていない事業主の多いことが、残念ながら運輸事業者の実態」と説明する。
     健診の「受けっぱなし」の現状打破と、ハイリスク者の見える化を目指して構築されたのが、定期健康診断の事後フォローを目的とした「運輸ヘルスケアナビシステム」。実証実験の募集は40社2000人だが、社数枠は残りわずかで、人数枠はすでにオーバーしているという。同システムは、紙ベースで預かった、フォーマットがバラバラの健診結果が、「運輸ヘルスケアナビシステム ○○会社」と印字された1枚のCDになり、順次納品される仕組み。作本副理事長は、同システムから見えてきた、あるトラック事業者の健診結果について解説する。


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     事業者A社の健診データ134人のうち、労災二次健診(無料)の対象となる人は約1割14人が該当。健診結果から何らかの所見(再検査・精密検査・治療)のある人は、72人(52%)だった。また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いのある人は23人(16%)。LDLコレステロールの有所見者は76人(55%)と検査項目の中で最も多く、2人に1人が該当。その中の多くの人が、血圧や血糖項目など複数の異常値を併せ持つハイリスクの該当者であることも浮上したという。
     その他にも「血圧178/114という、とんでもない高血圧や、BMI30という超肥満、視力、聴力の悪い人も少なからずいた。これらは運転業務に直接関係すること、そしてドライバーの高齢化を考えると、見落としてはならない重要ポイント。A社の健康状態は一見劣悪のように思われるが、他社に比べると全体の有所見率、SAS確率など実は低い方」と説明する。
     さらに他社のケースでは、健診受診時に問診票で「受診中」と記入した人は、たとえ健診結果が悪くても、検査機関からの報告書では有所見者リストから外れてしまい、ノーマークであることが分かった。しかし、健康起因事故が起き、改めて明らかになった。これでは思わぬ落とし穴であり、同システムの活用で改めてチェックが必要であることを意味する。
     健診データのシステム化は、個人のリスク見える化に留まらず、事業所全体の健康度や、データに基づく安全・健康対策のポイントが明確になるという点に、大きな特徴がある。「従業員の健康状態をひとまとめにした、1枚の『事業所カルテ』は、会社の『ハツラツ度』や『元気度』をも表しているのではないか。安全・健康対策にむけての重要ポイントの可視化や安全衛生委員会資料、社内報へのフィードバックにも活用いただける」と自信を見せる。
     作本副理事長は、ハイリスク者の見える化が達成できていることに満足していると述べた上で、「今後は、見えたハイリスク者をスムーズに受診や生活習慣の改善につなげることができるようなシステム、点呼時に健康情報が生かされるようなシステムを、さらに積み上げていくことができれば」と先を見据える。
     同システムが管理者の手足となり現場に落とし込まれるようになれば、健康起因事故は減少していく。事故が起きてからの対策ではなく、事故を予防する観点からも、同システム導入の標準化が求められているといえる。
    ◎関連リンク→ NPO法人ヘルスケアネットワーク(OCHIS)

     
     
     
     
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