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    高齢者の運転に注意 「大目に見て」甘い認識

    2017年11月17日

     
     
     

     死亡事故全体に占める75歳以上の高齢運転者による死亡事故の件数は、年々増加傾向にある。特にハンドルやアクセル・ブレーキなどの操作ミスが多く、路外に逸脱し「正面衝突」するケースや、横断中などの「人対車両事故」、駐車車両への「追突」などで全体の約73%を占める。75歳以上の運転免許保有者数は平成28年12月末現在で約513万人であったが、平成33年には約613万人と推計されるなど、外的要因による事故発生リスクは高まっている。
     30代の女性ドライバーが、埼玉県川越市内の片側2車線の市道を走行していたところ、対向車線を走る乗用車がセンターラインを越え、正面衝突した。乗用車を運転していたのは70代後半とみられる男性。状況からして男性の運転ミスによるものは明らかだったが、女性ドライバーにかけられたのは、謝罪の言葉どころか文句だった。「後部座席に乗っている妹が負傷した」と、あたかも女性ドライバーが悪いかのような口ぶりだったという。幸いにして目撃者の証言などで、保険会社は100%高齢男性側の非であることが認められた。この女性ドライバーが所属する同市の運送会社社長は「自分が悪いという自覚はあるはずだが、『高齢者なんだから大目にみてよ』という感じで、弱い立場であることを盾に逃げようとしているように聞こえた」と話している。故障したトラックを修理している間、仕事をストップせざるを得なくなった同社。こうした被害を受けながらも、その男性が謝りに来たことはない。


     現在、70〜74歳まで「高齢者講習」を受けなければならず、75歳からは「認知機能検査」の結果に基づいた高齢者講習を行うことになっている。こうした学習の機会を設けてもなお、死亡事故全体に占める、75歳以上の高齢運転者による死亡事故件数は依然として高水準にある。
     全年齢層の死亡事故件数が減少傾向にあるのに対し、75歳以上の運転者による死亡事故件数は横ばい傾向にあり、過去10年に渡って450件前後で推移している。平成28年度は459件(13.5%)だった。また、平成28年度中の第1当事者事故の年齢層別免許人口10万人あたりの死亡事故件数をみると、75歳以上は8.9件で、75歳未満3.8件と比べて2倍以上となった。
     高齢者の危険運転による事故の多発に「運転免許証の有効期間の短縮制度や運転免許の定年制が必要ではないか」との声もあるが、これについて有識者は否定的だ。今年6月に警察庁の「高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議」がまとめた提言では、運転リスクが高いものに対する何らかの措置の必要性を示したものの、年齢のみによる制限については「加齢による身体機能の低下の程度は個人差が大きく、年齢のみによって一律に運転を制限すること自体に問題がある」、また乗用車に代わる「移動手段の確保が困難」としており、運転免許の自主返納など、実際の対応は高齢運転者任せというのが現状だ。
     そこで行政は、高齢運転者の事故防止と事故時の被害軽減効果が期待される先進安全技術を搭載した「安全サポート車」への乗車を条件とする限定条件付き免許や、運転リスクが特に高い者の実車実験の導入を検討する方針を示している。
     安全サポート車は、高齢運転者の事故発生状況を踏まえ、「少なくとも自動ブレーキとペダル踏み間違い時の加速抑制装置を搭載した自動車」と定義し、自動ブレーキの機能に応じて「ワイド」「ベーシック+(プラス)」「ベーシック」に3区分する。その上で、安全サポート車ワイドについては、車両単独事故への対応技術である車線逸脱警報装置、夜間事故への対応技術である先進ライトの搭載について、その普及状況などをみて追加するほか、そのほか事故防止に効果が見られる技術について、自動車メーカー各社の判断に応じて順次追加されていく模様だ。
     自動車ユーザーに対するJAFのアンケート調査によると、70歳以上の回答者の9割以上が「自動車の先進技術について知りたい」とし、また過半数が「試乗して機能を体験してから購入を検討したい」とするなど、高いニーズがあるにもかかわらず、実際の販売に必ずしもつながっていない可能性がある。高齢運転者が先進安全技術について知ったり、運転技能を体験する機会を設けると共に、高齢者のみならず、その家族も巻き込んだ全体的な啓発活動が求められている。

     
     
     
     
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