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    プロが見る危険な現実 相次ぐ高速の追突事故

    2017年11月21日

     
     
     

     車両トラブルで左側車線に緊急停止していた4トン車に、後ろから走ってきた大型トラックが追突…。8月、山陽自動車道で発生した衝突事故は人的被害こそ避けることができたものの、交通量が多い路線だけに一歩違えれば複数の車両を巻き込む大惨事ともなりかねなかった。渋滞の最後尾や、路肩に停車している車両に大型トラックが突っ込むという痛ましい事故が後を絶たないが、日常的に高速を利用する職業ドライバーは「きょうも無事に高速を降りることができてよかった…。いまの高速道路には、そう感じさせるくらいのリスクがある」と明かす。
     「どんな大事な電話か知らないが、まったく信じられない」と話すのは、山陽自動車道にある東広島市内のSAで話を聞いた長崎ナンバーの大型車ドライバー。高速本線の路肩に車を止め、ハザードを点灯しながら携帯電話を使用している乗用車のドライバーを見る機会が少なくないという。「膨らみがある非常停止帯ならまだしも、一般道のように本線にはみ出す格好で止めているケースもあるが、はっきり言って自殺行為だ」と呆れる。
     大型トラックを主力とする中国地方の運送会社は5年ほど前から「全車両のオートクルーズ(一定速度を維持する機能)を使えなくした。いまは新車の段階で使えないようにしてもらっているが、メーカーによっては他の車両センサーなどとの兼ね合いで対応できない場合もある」と安全管理の担当者。「社内でオートクルーズが原因の事故があったわけではないものの、アクセルを踏む操作が不要となる環境では居眠りのリスクは間違いなく高くなると判断した」という。


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     過労や居眠り運転が追突事故の原因の一つであることはデータからも明らかだが、現場のトラックドライバーからは「車間センサーの機能が備わっていない大型車がオートクルーズで走ることが一番怖い」との声も多く聞かれた。時速90キロに設定した車速が解除されるのを嫌がるドライバーの場合、前を走る車両との車間距離が限界に縮まるまでブレーキを踏まないというのだ。一般ドライバーが「高速でトラックにあおられた」と訴えるケースには、こうした実態が含まれているのかもしれない。直前を走る車両がトラックであれば視界は悪くなり、そうした状況で前方の車両が急ブレーキをかければ結果は火を見るより明らかとなる。
     車間を詰めた状態で走る2台のトラック。前方のトラックが急ハンドルで車線を右側へ変更したところ、後ろを走っていたドライバーの目に飛び込んできたのはハザードを点灯して路肩に停車していた車両だった…。こうした状況も含め、平成28年に高速道路で発生した9198件の事故のうち、「追突」によるものが全体の72.6%(6676件)を占める。さらにいえば、そのうちの63.7%(4250件)は「車線」「路肩」に停止していた車両へ突っ込むという事故だった。
     これらの痛ましい事故を防ぐには、先の運送会社のようにオートクルーズを使用不可とするのも一策だが、プロと素人が入り混じる交通環境を踏まえた安全対策も必要だ。道交法では高速道路を運転しようとするときは燃料や冷却水、エンジンオイル量などを事前に点検しておかなければならない(75条10)が、セルフ給油が一般的となったこともあって「ボンネットを開けるのは車検のときだけ」という一般ドライバーも増えている。
     また、すべてのドライバーが万一の対応を意識しておくことが不可欠だ。同条11では、車両トラブルなどで走行不能になった場合には内閣府令の基準に適合した停止表示器材を使って後続車両に知らせなければならない(道交法施行令27条6)が、保安基準で車両に装備することが義務付けられている発煙筒とは違い、いわゆる三角表示板などはトラブル現場での設置を求められるものの、車両に常備しておく義務はない。そうした実情も理解しておく必要があるだろう。
     車両トラブルによる緊急停止から十数分後、後続の大型トラックに追突された冒頭の4トンドライバーは違反キップを切られた。表示器材を使った危険回避の行動を取っていなかったためだが、関係者によれば「交通量が多い高速路線のため、恐ろしくて車外に出ることができなかったとドライバーは話している」という。こうした現実を踏まえた防衛運転とともに、追突されないためにも日常の車両点検の大切さを痛感させられる。

     
     
     
     
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