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    介護で仕事を辞めない パソナライフケア継枝氏に聞く 

    2017年10月31日

     
     
     

     「2025年問題」をご存知だろうか。2025年以降は4人に1人が75歳を超えると予測されている。言い換えれば、運送業界で多数を占める中年層ドライバーが、介護の問題に直面する日は確実に迫っている。「配偶者に介護を任せてきた」という例も過去にあるが、現在はトラックドライバー自体の給料水準が過去ほど高くなくなったうえ、2016年の厚労省調査では、共働きの家庭が全世帯の20%を超えており、こうした事例のみを参考にできる時代ではなくなった。介護離職によって貴重な人材を失うのは避けなければならない。今回は、ドライバーのように自身で介護に参加する時間の確保が困難であっても、仕事と介護を両立する方法はないのかを、官公庁から介護講師の仕事を受けているほか、各所で企業向け介護セミナーや相談デスクの窓口を務めている継枝綾子氏(パソナライフケア、髙橋康之社長、東京都千代田区)に聞いた。
     同氏は介護と仕事を両立させる方法として、「公的支援サービスを受け、専門家を最大限活用することが重要」とし、「介護者本人が休暇の全てを、介護を行う日とするのではなく、公的支援の申し込みや、ケアマネジャーなど介護に関わる第三者との関係作りの日とすることが必要。介護をするよりも支援を受けるための判断や状況把握が必要となる」と、介護者が計画や要請の面で介護に強く関わるよう話している。加えて「介護者本人以外の家族が介護に加わるケースでも、身体的、心理的な負担から、両者の共倒れを防ぐ意味で、ケアマネジャーをはじめとした第三者を参加させるべき」と強く勧めている。またサービスの利用に先んじて自宅への介護ベッドや車椅子のレンタル、手すりの設置といった整備を行うよう指摘しており、「私が見てきたケースでは、まずハード面の整備を行っているケースが大半」と話している。


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     同氏は支援を受けるための方法として、全国にある地域包括支援センターへ相談に行くことを勧めている。同氏は「介護保険などの公的支援は自動的に受けられるというものではなく、センターや市町村を介した認定調査員の訪問および調査に加え主治医の意見書で要介護度の判定を受ける必要がある。保険が受けられることを知らず、亡くなったケースもある」と注意している。なお、その際の注意点として「適正な要介護認定と支援を受けるために、家族の同席のもと、主治医や調査員のチェックを受けることが重要。本人だけでは正しく状態を把握できなかったり、無理をして元気であることを装ったりというケースが多々ある。どうしても同席できない場合でも、普段の状態など本人情報を記したメモ書きを渡すといった対策が望ましい」と警告する。
     継枝氏によれば、介護対策は、必要となった時に行うのではなく、あらかじめ準備をしておくことが重要という。同氏は「日頃から家族とコミュニケーションをとっていないために公的支援の話を切り出せないことも珍しくない。ケアマネジャーとの介護プラン作成のための時間さえ取れないケースもある」と具体例を挙げ、「定期的に家族間のコミュニケーションをとるように注意する。協力会社を含む社内外でカバーできる協力体制を作っておき、普段から介護について切り出せる空気を作っておけば即座に対応が可能」と対策を挙げている。
     同氏は「公的支援に関わる情報は分かりにくい。従業員から相談を受けた時は、自分も分からないかもしれないが、こうした窓口を紹介することは可能。全て保険や年金でカバーできるケースばかりではないが、要介護者の一人暮らしも現実的には可能。仕事に集中できず、大きな事故となる恐れもあるので、専門外と突き放さずアドバイスを」と介護に備えた体制の構築を呼びかける。
     現在、厚労省は介護離職対策として、両立支援の知識を持った介護プランナーの訪問支援を行っているほか、介護離職防止に向けた制度の策定や社内実態調査などへ助成金を出している。パソナ(佐藤司社長、同)官公庁事業部官公庁第1チームの宍戸貴幸氏は「訪問支援は全国で対応できるよう体制を整えている。無料で受けられるので、ぜひ一度ご相談を」と話している。
     なお、宍戸氏によると、現在、両立支援に向けたセミナーも計画されており、直近では11月16日に名古屋、12月6日に大阪、1月17日に東京で開催されるほか、別地区でも順次開催予定。継枝氏が講師を務める日程もあるので、参加を促している。
    ◎関連リンク→ 株式会社パソナライフケア

     
     
     
     
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