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物流ニュース
日本気象協会北海道支社など3社 災害シンポジウムを開催
2017年10月29日
日本気象協会北海道支社、道道路管理技術センター、道開発技術センターは10月13日、京王プラザホテル札幌で「気象災害に強い道路と物流を考える」と題したシンポジウムを開催。
道内で大雨や暴風雪などによる交通障害が多く発生する中、社会生活と経済基盤を確保するための道路管理や物流の現状と課題についてパネルディスカッションが行われ、物流業界から北海道物流開発(札幌市西区)の斉藤博之会長、ヤマト運輸北海道支社(同厚別区)の桑山康彦マネージャーが登壇した。
斉藤氏は昨年度、日本気象協会北海道支社の協力を得て、物流業界向けに道内主要道路の吹雪による交通障害の予測情報をHPで無償提供したことを紹介し、「こういった交通情報を共有し、通行止めなどで輸送が困難になる予測が出た際は、受発注自体を抑えるような仕組みが必要。物流事業者は、顧客から輸送依頼を受けると、届けるために無理をする」と訴えた。
また、道内では現在、食品卸などの物流センターが道央圏に集中し、地方に在庫が少ない状況にあると指摘し、「消費の落ち込みとドライバー不足も相まって、地方部は陸続きでも離島並みの物流コストとなる。このままでは、商品の価格高騰や競争力低下につながり、さらに輸送量の減少という負のスパイラルに陥る」とし、「大規模な気象災害で地方の物資が枯渇することもありうるため、地方在庫のあり方を再考してもらいたい」と強調した。
桑山氏は「道内には5ベース、160拠点、660の幹線輸送のルートがあり、緻密な運送スケジュールを組んでいるが、天候不良により時間軸がずれるとサービスレベルが落ちる。昨年8月の台風被害の際は、通常3時間かかる幹線輸送ルートが通行止めとなり、迂回路で7時間以上かかった。その面で事前に気象情報を把握することは極めて重要」と述べ、道路管理者に「お客様との約束を守るためにも、主要道路の通行止め・解除の予告の充実と高速道路の4車線化をお願いしたい」と訴えた。
このほか、パネルディスカッションには、道開発局建設部道路維持課の林憲裕道路防災対策官、道建設部維持管理防災課維持グループの瀧川雅晴主幹、NEXCO東日本北海道支社総合企画部の荻野政行調査役、日本気象協会北海道支社事業サービスGLの川村文芳氏がパネリストとして参加し、北海道大学大学院工学研究院の荻原亨教授がコーディネーターとなった。
また、荻原教授は基調講演で「吹雪などの災害の被害軽減のためには、道路管理者と利用者の間で相互に意思疎通を図ることが重要」と述べ、吹き溜まりの予測・情報提供システム「吹雪丸」の開発状況を説明した。
◎関連リンク→ 日本気象協会この記事へのコメント
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