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物流ニュース
三井ホームコンポーネント 「スマート倉庫」を開発
2018年3月30日
三井ホームコンポーネント(東京都中央区)はこのほど、2×4(ツーバイフォー)製材を用い、最小限の柱と壁で、十分な強度と耐久性を有する簡易型倉庫「スマート倉庫」を開発した。「安い、早い、軽い、優しい、強い」がコンセプトの同製品について、開発営業本部の葛西卓部長(写真右)と、山本剛主査(同左)に話を聞いた。
製品の一時保管や外部作業場などの用途で使われる簡易型倉庫は、「従来は鉄骨パイプなどを用い、テント材を張るものが主流だった」というが、「雪などでテント材に穴が開いてしまうこともあった」と語る同部長。「強度を確保し、当社の得意とする木造技術で、従来工法に匹敵する工期と価格で実現できないかと挑戦した」と、経緯を語る。
「従来工法の木造倉庫と比べると、重量は4分の1、工期は6分の1、価格は2分の1に抑えられる」という同製品は、「ウッド・ビッグ・スパン工法」を採用。同社が独自に開発した接合金物「コネック」で接合した「コネックトラス」を用いることで、「軽量で、強度も高い」とし、「最小限の柱と壁で建設でき、倉庫の屋根に適している」と胸を張る。
壁には、独自開発の高強度ブレース壁「ターンバックルブレース」を利用し、「大空間の小屋組みを支え、耐震等級3を満たす」と解説。屋外に露出した木材は、「通常の防腐防蟻処理に加え、雨や紫外線、シロアリ被害などに耐える次世代木材保護塗料の『液体ガラス』で壁の表面を塗装しており、長期的な自然劣化から木材を保護する」という。
コストに関しては、「鉄骨に比べ、木材は価格が安定している」と指摘する山本氏。「1坪あたり15万円からと、コストパフォーマンスも良い」と価格にも自信をのぞかせる。また、「撤去する場合の解体費用も安い」という。
トラスは運べるサイズに分割して工場生産される。同社埼玉工場(埼玉県加須市)の敷地内で、実際に建設した際は、「2人の職人が3週間程度で完成させた。人件費の課題もクリアできる」と語る。
同工場内には、同工法で建てられた倉庫がもう1棟あり、「仮置き場ではなく、通常の倉庫としての用途で利用できるもの」と説明。「ユーザーのニーズに合わせ、様々な倉庫タイプを提案できる」と笑みをこぼす。
同製品は、「地球環境に優しい」と語る山本氏。「木材を利用することで、CO2排出量を抑え、地球温暖化防止に役立てる」と、目を細める。「木材は、国産材も対応可能。標準仕様の輸入品に比べて割高だが、地産地消など、社会貢献につながるため、喜ばれている」と葛西部長が付け加える。両氏は、「木材の持つ可能性を追求し、ユーザーに必要とされる商品を提供し続けたい」と、同社の取り組みを熱く語った。◎関連リンク→ 三井ホームコンポーネント株式会社
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