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物流ニュース
繁忙期迎える引越業界 人材確保へ各社の対応は
2018年2月15日
引っ越し業者への依頼が集中する3月中旬から4月上旬は、いわゆる「引っ越し繁忙期」。年間を通して繁閑の差が極端に変動する引っ越し業界にとって、書き入れ時となる繁忙期が間もなく訪れる。物流業界に限らず、様々な業界で「人手不足」が深刻化するなか、引っ越し業者では、それぞれ2018年の引っ越し繁忙期を迎えるにあたって、どのような対策を行い、どのような体制で臨むのだろうか。
アートコーポレーション(寺田千代乃社長、大阪市中央区)は、3月20日頃から4月上旬を繁忙期と設定している。繁忙期を迎えるにあたって、「早めに求人募集をかけ、人材確保に努めてきた。状況としては、人手に関して不足感はない」という。同社では、長期的なドライバー育成を狙って、高卒採用に力を入れている。また、繁忙期の料金改正は特にないとしている。
アリさんマークの引越社(空雅英社長、名古屋市)は、3月20日から4月8日までを繁忙期として設定している。人手に関しては「大変不足しているため常時、募集をしている」とし、「就職・転職をしてもらうため、日々試行錯誤している」という。日本通運(齋藤充社長、東京都港区)は、3月17日から4月8日までを繁忙期に設定している。人手を確保するために、「社内の引っ越し部門以外からの戦力調達やグループへの協力要請で確保している」とし、ほかに「大学生アルバイト募集などを行っている」という。料金の改正について単身パックは、3月22日から4月5日の間、料金を割り増して対応する。
サカイ引越センター(田島哲康社長、大阪府堺市)は、3月15日から4月15日を繁忙期として設定。数年前から、繁忙期にも対応できるように採用から人材育成を行っている。その結果、昨年度末の段階では、ドライバーの充足率は120%となっている。人材確保の対策として「駅前に採用拠点を設けている」という。さらに、「ドライバー以外のスタッフは、引っ越し現場に近い駅などで集合、解散する仕組みを確立した」とし、さらに「現在働いている社員には、ベースアップを行った」としている。また、料金の改正は考えていない。
アーク引越センター(杉原正憲社長、名古屋市)は、2月下旬から4月上旬を繁忙期として設定している。人材確保については「比較的うまくできている」とし、「不安を取り除いて仕事に就いてもらうため、引っ越し作業の指導を強化した」という。
ハート引越センター(太田至計社長、東京都葛飾区)は、3月から4月を設定しているが、例年に比べて分散や前倒しといった傾向もあるため2月も増えると見ている。人材の確保は「拠点を現在の42から60まで増やすため、繁忙期に関わらず毎年、積極的に社員募集を行っている」とし、「期間限定のサポート的なスタッフに関してはアルバイト採用で補っている」という。料金に関しては、昨年に比べて微増。需要にあわせて普段が値下げしている状態で、繁忙期の料金が適正価格となっている。
ヤマトホームコンビニエンス(市野厚史社長、同中央区)は、3月中旬から4月中旬を繁忙期として設定。繁忙期を迎えるにあたって、「人手の確保は、地域によって差はあるものの、おおむね計画通り。利用者には、ピーク期間中の引っ越しを出来るだけ避けて頂くよう、日程調整をお願いしている」という。料金の改正については、単身引っ越しサービスのシーズン加算料金を、1BOXにつき2000円(税抜き)から5000円(同)に変更。サービス面では、Web割引、複数BOX割引サービスを実施する。
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