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物流ニュース
積載量アップへの工夫 架装ボディー各社に聞く
2018年5月23日
アルミ製の箱型架装を積載したウイング車や箱車は車両重量が重くなるため、その分多くの荷物を積むことができない。ウイング車や箱車を利用する運送事業者からは、荷物の積載量が取れれば取れるほど効率が良くなるため、不満の声が多く聞かれるのが現状だ。そうした要望に、架装メーカーも様々な工夫をこらしながら、開発に取り組んでいる。
輸送中のセキュリティ性や安全性を第一に考えるトラックボディーメーカーのいそのボデー(磯野栄治社長、山形県山形市)。同社には「4トン車なのに3トン車よりも少ない積載量しか取れなくなってしまうので、積載量を増やして欲しい」などといった運送事業者からの問い合わせが増えてきているという。これに対して、磯野社長は「積載量を確保するためには軽くするしかないが、セキュリティを含めた強度 と両立しなければならない」とし、「現状では、そういう部分を最大限に考慮し ながら設計を行って いる」と話す。
「ボディーの問題 だけではなく、シャ シー自体が重くなっ ている」として、「車 両がどんどん重くなって、値段も高くなっているため、ボディーを軽くして値段を下げるというの は大変難しいのが現状」としている。 そのような状況のなか、同社では積載量アップに取り組むだけではなく、セキュリティや安全面の強化にも積極的に取り組んでいる。その代表的な製品が同社のリモートセキュリティロック採用ドア「i‐SKIPDOOR」だ。磯野社長は「箱車は観音扉で、扉が開いていることによる事故や、開けっ放しの状態が多いため、盗難やテロなどの可能性もある」としながら、「特にセキュリティでは、国際的に見ると日本は万全の状態ではない」と話す。海外では、製品の輸送・保管中の紛失・盗難を防ぐためのセキュリティ(保安・警備)規格としてTAPA認証制度が、物流業界で急速に広まっており、同社では日本でも今後、セキュリティが厳しくなってくると考えて開発に力を入れている。
一方、商標登録「B ETEC」で知られ るビー・コマース(吉見菊江社長、群馬県前橋市)にも、積載量の確保についての要望は多く、軽量化する方向性で開発を進めている。富岡康充相談役は「安全面などを考えると軽量化には限 界がある」としながらも、「軽量化に関しては、メーカーとして最低限、強度が担保されることと、 早く劣化しないことを外すことはできない。その上で、極力軽量化を図るようにしている」という。こうした努力のほか、同社ではトラック運送業界のドライバー不足解消の一助となるため、女性や高齢者などをドライバーを取り込めるようにするために、「全電動式トラックアオリ開閉装置」を開発。これまで、ドライバーや作業者が手動で開閉していたアオリが、手元スイッチで開閉可能にした。アオリは、ほぼ手動で開閉を行うため、誰でも簡単に開閉することができなかっ た。その作業が誰にでもできるようにな れば、採用できる人の幅も大きくなる。同社では、積載量の確保とともに、こうした部分で付加価値を加えることで、安全性や省力化を追求する。
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