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物流ニュース
事故防止には睡眠を 時間のほか「質の向上」も
2018年7月5日
6月から睡眠不足のドライバーの乗務が禁止されるなど、運送業界でも睡眠不足対策が求められている。今回は、まくらなどを販売しつつ、質の良い睡眠を提供するために睡眠セミナーも開催している大和屋ふとん(齊藤淨一社長、東京都町田市)に、物流企業が睡眠に関して取るべき対策について話を聞いた。
齊藤社長は「事故防止を考える上では、時間以外にも睡眠の質も大事」と話す。では、質の良い睡眠をとるにはどうすればいいのか。齊藤社長は「本来、睡眠の質を上げるには、起きる時刻と眠る時刻を同じにするのが良い。困難な場合、起きる時刻だけでも一定にすることをおすすめする。休みの日も同じ時刻に起きるようにし、朝日を浴びてほしい」とし、「休日の寝だめは、睡眠リズムを崩し、休日明けが辛くなる。普段と同じような時間に起きて一度、カーテンを開けて、通常より最大で2時間程度までの長さにするとリズムを崩しにくい」としている。
では、極度の長時間睡眠や多頻度の仮眠はとらないほうが安全なのか。社長は「ハードワークの後や、連勤が長くなった際などはリカバリーも強くしなければならない。仮眠時間も通常より多くの睡眠をとったほうが安全」としている。しかし、十分な睡眠時間を日々取れるわけではない。何か対策がないか質問すると齊藤社長は「3〜4時間の短時間睡眠であっても質を上げる方法はある」としている。方法を聞くと「眠る前に深度体温を上げるのが有効。例えば、眠る1時間前に温かい飲み物の摂取、入浴・シャワーが効果がある」と教えてくれた。
また居眠り事故対策については、「睡眠覚醒リズムによれば、人体は起床7時間後と22時間後に眠気が来るようになっている。事故が頻発するタイミングでもあるので、その前に仮眠を取るようにすると適切な目覚めも得られる。会社からも起床時刻を確認し、連絡して事前休憩を促したり、また起床時刻から逆算してタイマーを設定し、攻めの睡眠をとらせることが重要ではないか」としている。
他にも睡眠の見える化に睡眠アプリの使用が提言されている。同社も8月中をめどに睡眠アプリの配信を予定しており、いびきの有無や実際の睡眠時間が判別できるという。同社長は「睡眠不足時の判断能力は、アルコール摂取時と同等まで落ちかねない。人の命を預かる会社として、ドライバーに正しい情報を伝えるためにも管理者・経営者が知識を持っておかなければ。セミナーなどを活用し会社に睡眠知識を蓄えてほしい」としている。同社は13日に睡眠セミナーの公開を予定している。「この記事を見たと伝えていただければ無料で参加可能。会社の安全に役立ててほしい」とのことだ。
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