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物流ニュース
イエス,アンド 事故防止に対話の重要性を強調、心理面にフォーカス
2018年8月3日
運送事業者を専門に安全マネジメントのコンサルティングを行っているイエス,アンド(福岡市博多区)。「1万7000人が眠らなかった」という同社の安全研修は、心理面にフォーカスを当て、ヒューマンエラーによる事故の防止につなげている。
森川美希社長は、「ドライバーさんが毎日、元気に『行ってきます』と『戻りました』を言ってくれることは、とても幸せなこと。それをコンサルティングでサポートしたい」と語る。
同社長は、運転適性検査の開発メーカーで約10年間、安全運転研修に携わった経験を生かし、同社を立ち上げた。「人間関係がうまくいかないだけでなく、事故の原因となりうるのがコミュニケーションの不足」と指摘。「社名の由来でもある『Yes,and』は、『そうですね、それで』と、もっと話を聞かせてという意味」と語るほど、対話の重要性を強調する。
「組織において、リーダーや幹部が部下の意見をいかに吸い上げられるかが大切」と話す同社長は、「コンサル先企業のリーダー会議に参加して、効果的な会議のやり方や話の聞き方・伝え方などを伝授する」という。
コンサルティングのフローは、「まず企業それぞれの診断や事務所の見学を行い、その後の流れを決める。事故データを提出していただき、分析することが多い」という。「特定の事故が多いことで依頼いただくことが多いが、分析してみると、それとは異なる事故が多いケースもままある」と指摘する。
「実感と実態のギャップを埋め、課題を明確にしたら、それをどのように改善するかを全員で検討する」という。「コンサルティングと言っても、行動を強制することはない。リーダーとドライバーが自分たちで判断して決めたことを行動に移す、そのお手伝いをする」
「たとえば、『バックの際の事故が多い』という課題が見えてくれば、事故を起こした車種の比率や、ドライバーの意見などを集約し、カテゴリーごとに10項目程度を提示する。それをドライバーが実践して、要・不要を選んで最終的には5項目程度まで絞る」と事例を紹介。「その5項目を守れば、事故は削減できる」。「新人教育にも活用できる」と語る。
「1つの課題につき、3か月から半年かけて、全員で解決に向けて取り組む。自分たちで決めると、継続しやすい」と解説。「何か不満があっても、『言っても無駄』という雰囲気だった社内が、活気に満ち溢れるようになることもある」と笑みをこぼす。
◎関連リンク→ 株式会社イエス,アンド
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