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物流ニュース
西日本豪雨から1か月 被災各社の再建進む
2018年8月7日
西日本の各地に甚大な被害をもたらした7月の豪雨災害から1か月。復旧が進むなか、下旬には台風12号が異例の進路を取り、中国地方を通過するなど不安が拡大した。広島県内の被害は広範囲に及んでおり、広島呉道路を除いて幹線道路は通行可能になったが、国道2号や同31号などの交通渋滞は解消されていない。そんななか、被災した運送会社では、本社の機能を営業所に移し、無事だったトラックを稼働させるなど営業を再開させている。県中南部の三原市で話を聞いた。
レンタル機器や土木資材などを運ぶ同市のエイチアンドエイチ(田崎博香社長)は、市の東西を流れる沼田川の決壊で保有するトラック5台のうち4台が水没した。事務所は2メートルほど水に浸かり、OA機器や書類なども流され、一面泥にまみれた。国道2号から南に約300メートル離れている同社だが、国道の復旧が最優先となったことで、この状況にありながらも周辺道路の泥が撤去されたのは豪雨から2週間後だったという。田崎社長は「国交省へ嘆願書を出してから1週間たって、ようやく対応してもらえた。同じ三原市なのにこの辺りは報道も少なく、被害状況が知られていない」と嘆く。しかし、「人は元気。立ち止まるわけにはいかない。ドライバーは知り合いの運送会社で臨時に乗務させてもらっている」と前を向く。
城南運輸(松本邦雄社長)では保有トラックの半数となる約30台が水没し、旅客事業で抱えるバスも同数が被害に遭った。同地区では過去に80センチ浸水する水害があったそうで、松本隆幸専務は「この教訓を生かしてカサ上げした場所に会社を置いていたが、予想を上回る1・5メートルもの水が押し寄せては、どうしようもなかった」と語る。1日半も水が引かず、社屋の周辺には近づけなかったという。しかし、無事だった2階の会議室で7月10日から営業を一部再開した。生乳など生き物が関わり、待ったなしの状況である畜産関係の荷を最優先に、他社の協力も得ながらの再稼働だった。同23日に断水が解消するまでは井戸水を汲み上げ、トラックや事務所の泥をひたすら流した。学校給食の配送も行うが、「小学校の夏休み明けに給食がどうなるか未定」(松本専務)と不安も残る。パソコンも浸水したが、会計データはクラウドにバックアップしていたことで無事。業務日誌はハードディスクに保存していたが、それも復旧できたと胸をなで下ろす。日ごろからしっかりと危機管理をしていたことで、最悪の事態は避けられた。
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