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    行政処分、違反点数の付け方 監査に至る流れとは

    2018年8月30日

     
     
     

     毎月、国交省から事業者の行政処分情報が公開される。その情報の中で気になるのが、行政処分の「違反点数」と「違反行為の概要」の関係だ。「違反行為の概要」の、どの項目が「違反点数」の何点になるのかが分かりづらい。違反をしていないつもりだが、仮に違反点数の高い違反行為を行ってしまっていたら、一度の監査で許可の取り消しや事業停止になってしまうのではないか、という不安は尽きない。今回は、関東運輸局、東京運輸支局、東ト協の適正化事業部に話を聞いて、監査に至る流れや、違反点数について取材した。

     現在、監査を担当する地方運輸局と地方運輸支局では、貨物自動車運送事業法により、一般社団法人などの民間団体などを指導員として指定し、事業者に対し指導を行うことができる。今回、話を聞いた東京運輸支局によると、指導機関はトラック協会にある適正化事業部が指定されていることが多く、3団体で協力して指導・監査まで進めているという。多少、年数の幅はあるが2〜3年に一度の割合で、事業者は適正化事業部の巡回指導を受けることになっている。その結果が地方運輸局・地方運輸支局に提出され、監査対象事業者になるかの判断がなされる。

     一方、労働局や公安委員会からの通知・通告によって監査に入る場合や、死亡事故や飲酒運転によって引き起こされた事故の当事者である場合にも監査対象になり、場合により行政処分などの判断が下される。関東運輸局の「貨物自動車運送事業の行政処分等の概要(平成29年)」によると、監査が行われた理由として、適正化実施機関、重大事故、公安委員会通報、労働局通報などが挙げられている。

     では、監査はどのような基準で点数化され、勧告、警告といった軽微なものから、自動車の使用停止処分、事業停止処分、許可の取り消し処分といった行政処分に至るのか。関東運輸局によると、違反項目ごとの点数が決まっており関東運輸局のHPには「貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数などについて(別表)」という詳細な点数表が公開されているが、それによると、10日車=1点とカウントされ、加算された総合点数によって行政処分の内容が変わってくるのだ。

     このほかに、30日間の事業停止処分となり、30点が加算される違反項目がある。例えば、「貨物自動車運送事業者に対する行政処分の基準について」によると、局長通達5(1)①「法第17条第1項に基づく安全規則第3条第4項の規定に違反して、貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準(平成13年国土交通省告示第1365号)が、著しく順守されていない場合」。この「著しく」という基準は、厚労省が発表しているトラック運転者の労働時間がもととなっている。国交省が厚生省の改善基準告示の未順守の件数をカウントし、行政処分に当たるか判断している。

     例として、今年行政処分を受けた事業者2社の行政処分内容と法令違反の概要を比べてみる。1社は巡回指導の結果から法令違反の疑いがあるとして運輸支局の監査を受け、法令違反の概要が9項目で違反点数35点に達した。違反内容は「乗務時間等告示の順守違反」「健康状態の把握義務違反」「点呼の実施義務違反等」「運転者に対する指導監督違反」「初任運転者に対する適性診断受診義務違反」「整備管理者の研修受講義務違反、運行管理補助者の要件違反」「事業計画の変更認可違反」「報告義務違反等」

     一方、別の1社は、労働局からの通報により運輸支局の監査を受けた。違反は4項目だったが、違反点数は前者と同じで35点に達していた。法令違反の概要は、「乗務時間等の順守違反」「点呼の実施義務違反」「運行指示書の作成義務違反」「運転者に対する指導監督違反」

     詳しい項目ごとの点数は公表されていないが、内容はどちらも30日間の事業停止処分と、輸送施設の使用停止処分50日車が課せられている。今回のケースでは、どちらの事業者も「乗務時間等の順守違反」が、違反点数30点と30日間の事業停止処分に該当する違反だった。そのほかに、10日車=1点になる違反により5点の違反点数が付されている。

     仕事柄、労働時間の管理は難しいとされてきた業界だが、改善しなければ、事業停止30日という重い処分の可能性もでてきた。もちろん、違反をしないに越したことはないが、運行管理者や事業主が違反項目や違反点数について知ることは、事業を改善していく中で、優先順位を考えるなど、改善の順序立てにつながるといえよう

     
     
     
     
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