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物流ニュース
ドライバー引き抜かれ専属コースも廃止に
2018年9月6日
人材不足はどの業界でも深刻化しており、特に中小・零細企業では苦労している。そんな中で、大手運送会社の専属傭車として車両を手配していた大阪府和泉市の運送A社では、長年にわたり乗務していたドライバーを引き抜かれ、そのドライバーが担当していたコースまで断られるというトラブルが発生した。
A社によれば、30代前半のドライバーが4トン車で大手運送会社の専属で配送を行っていたという。そのドライバーは荷主の指示がなくても配送できるほど業務内容を理解しており、A社も大手運送会社も、このドライバーに信頼を置いていた。今春、このドライバーから、「大手運送会社の所長から当社で勤務しないかと誘われている」との報告を受け、A社の幹部がその所長に確認したところ、「冗談で誘ったつもり。御社の大事なドライバーを引き抜かないよ」と説明されていた。
その後もA社はこのドライバーに配車し続けていたが、今夏に突然、ドライバーが退職を希望。A社幹部が理由を聞くと「よくよく考えたが、大手運送会社は自分を必要としている。あれだけ大きい会社からの誘いは自分にとっては非常に光栄で、A社を退社して大手運送会社に勤務したい」と告げられた。
A社幹部は、すぐに大手運送会社の所長に連絡したところ、「本人が当社に勤めたいと言い出し、来たいなら来ればと答えただけ。こちらからは誘っていない」と話したという。再度、ドライバーに聞くと、「たびたび大手運送会社の関係者から『当社に来たらいいのに』と言葉を掛けられ、勤務したくなった」と説明した。
A社幹部は社長に相談。社長も「本人が大手運送会社に勤務したいと希望するなら仕方ない」とのことで、退職を認めた。その後、新たなドライバーの手配が必要と感じていた矢先、大手運送会社から、A社担当のコースが不要となったので専属傭車を断ってきたという。A社としては、人は引き抜かれる、仕事はなくなるなど、「あまりにもひどい」と怒りを露わにしている。
A社幹部は「出入り先や取引先のドライバー・仕事を取ることは業界では絶対にしてはならない行為だが、昨今では大手でも平気でルールを破る。その会社は忙しい時に今でも傭車を依頼してくるが、車両があっても『ありません』と言って手配しない。法的に問題ないのは分かるが、人道に反する行為で怒りがおさまらない」と話す。
最近はA社で発生したトラブルに似た話も多い。長年取引しているとドライバーも取引先となれ合いになり、こういった事態も発生しかねない。人材不足の現状では難しいかもしれないが、定期的な配置転換が必要なのかもしれない。
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給料安いから逃げられたんだろ?
同上です。
退職認めた 何上から目線やねん
給料安けりゃ元請けに逃げるのは当たり前。人の道に外れるとか言う前に給料を上げてでも逃げられないようにするのが常識。
元請けの所長の人柄について行ったんだろうなぁ〜(´∀`)
いくら馴れ合いになって仕事が出来たとしても、欲しいと思う人材とは限らない訳で、人道に反してるというのは言い過ぎかと思います。
待遇の良い会社に行くのは当たり前
人の道は外れてないね、
退職を認めた?言葉を得れべ!
配車としては会社に同情する。さんざんルートを改善して効率化を手伝ったのに自分で走ると切られたことがある。
そのコースがいつまでもあればいいけどね。
中小も悪くないけどな