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    出版物関係輸送懇談会 岐路に立つ出版物輸送

    2018年10月2日

     
     
     

    「厳しい経営という状況ではなく、もはや経営が成り立たなくなっている」――。

    8月17日に行われた東ト協出版・印刷・製本・取次専門部会(瀧澤賢司部会長)主催の第40回出版物関係輸送懇談会で、輸送事業者のこうした実態が明らかとなった。出版業界は今、デジタル化の波にのまれ、雑誌などの出版物が年々減少を余儀なくされている。物流合理化も思うように進まず、現場では、悪戦苦闘する事業者の姿があり、すでに出版物輸送から撤退する事業者の存在も出てきている。出版社、取次、そして輸送事業者らが顔を揃え、「経営の岐路に立つ出版物輸送~現実味を帯びる出版物輸送からの撤退~」をテーマに行われた同懇談会では、そうした厳しい現状が俎上に上がり、今後の取り組みを始め、改善策などについて、意見交換が行われた。

    同懇談会には、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本書籍出版協会、そして同部会の代表者らが集まった。

    同部会では、懇談会開催に先立ち、経営実態に関するアンケート調査を実施、懇談会の冒頭でそのアンケート結果が報告された。

    それによると、部会員企業23社中14社から回答を得ており、取次から店舗への配送が9社、版元から取次への配送が4社で、両方行っているが1社あった。

    経営が成り立っているかという問いに、14社中12社が成り立っていないとし、一部撤退も含め、半数を超える8社が撤退すると答えている。

    運賃では、5社が運賃の値上げがあったと回答したが、それでも経営が成り立たない実情に、それ以上に業量の減少や経費増大が大きく、改善につながっていないことが指摘された。

    同懇談会に参加した事業者からは、「出版物輸送にこだわりを持つ従業員のためにやっているが、このままの状況が続けば、撤退したくないといっても、せざるを得ない」と切実な実情を語り、業界が置かれている現状の理解を求めた。

    一方、日本出版取次協会として出席したトーハンの柏木祐紀輸送管理部長は、「4、5年前に、明日にも雑誌の配送が止まるかもしれないと指摘したが、本当にそれが現実になろうとしている」と危機感を募らせ、「量が減って収入が減って、ドライバー不足に陥るという負のスパイラルに陥っている」と指摘した上で、「量に左右されない運賃制度の設定が必要」だと指摘した。

    日本雑誌協会で物流委員長を務める集英社の隅野叙雄氏は、「デジタル化の中で、雑誌がどんどん減り続けているが、紙の出版を廃れさすつもりはない」とし、「新たな魅力作りをし、売れる本を作り、業量を維持していく。そのために、目標を持って、出版社と版元が協力して取り組んでいる」とし、出版物の業量を確保していくことを示唆した。

    瀧澤部会長は、「出版、取次、製本、印刷、そして輸送と、出版に関わる全ての人が、現在置かれている状況について、共通認識を持つことが大切だ」と前置きした上で、「ただ単に運賃を上げればいいというわけではなく、物流の合理化も不可欠で、現場の声を反映させれば、まだまだ改善できるところもあるのではないか」とし、「一歩ずつでも前に進め、今後の出版物輸送のあり方、形を作っていかなければならない」と話した。

     
     
     
     
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