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    台風21号禍 被害増え続け全貌把握にほど遠く

    2018年10月4日

     
     
     

     台風21号がもたらした暴風と高潮による近畿地方の物流関係への被害の全貌がつかみきれないまま、3週間以上が経過しようとしている。台風通過から2週間が経った9月19日時点の、トラックの破損・横転・水没の被害は大阪府、兵庫県を中心に2280台に上る。東日本大震災で流失するなどした被害車両全体の4割、7月の西日本豪雨による破損・水没車両の6倍以上に及ぶ数だ。関西国際空港や港湾といったインフラの復旧状況のみが伝えられる情報環境のなか、インフラまでの物流を支えるトラック事業者の被害そのものが忘却されようとしていることに危機感を示す事業者は多い。

     台風21号による被害について近畿運輸局がまとめた9月19日現在の営業用トラックの被害状況によると、大阪府、兵庫県の事業者所属のトラックを中心に計2280台が破損、横転、水没のいずれかの被害を受けた。大阪府内では「破損」被害が1230台、兵庫県内では「水没」被害の602台を数え、それぞれ最多。両府県それぞれの他の項目からみてむしろ、被害状況が偏在しているといえそうだ。

     近畿運輸局のまとめは、各府県のトラック協会による現状把握を基にして集計されている。兵ト協の支部担当者によると、現状を伝えるよう各事業者に求めた用紙には調査項目が書かれておらず、事業者による自由な筆記で被害が書かれている、という。そのため、「書かれた被害内容を水没に入れるか破損に入れるかによって、被害状況の見え方が変わってくる」と話す。

     同ト協東神戸支部(藤原典生支部長)によると、台風通過から2週間以上経った9月下旬に入っても被害状況は刻々と変わっているという。同支部は、コンテナヤードなどの被害が大きかったことが伝えられる「六甲アイランド」(神戸市東灘区)などの港湾地域を管轄。通過1週間目にはトラック29台の被害しか報告されていなかったが、2週目までに計175台のトラック被害が報告されている。支部関係者は、「積極的に聞いて回るわけにもいかず、複雑な心境」と話す。

     同ト協西神戸支部(今村竜彦支部長)も、台風通過後1週目よりも2週目までのトラックの被害の報告が多かった地域だ。30台以上の所属トラック全車両が被害に遭った事業者もあるといい、9月20日までに計100台近くのトラックの被害が報告されている。

     ト協関係者は一様に、「被害のあったすべての事業者から報告が来るとは言い切れず、また、支部に入っていない事業者の調査や、台風当日たまたま被害に遭った域外のトラックも調査対象から外れる」と話し、被害の全貌把握からは程遠い状態だと言う。

     国交省は、台風21号による「輸送力確保」が懸念されるとして、レンタカーなどによる営業を可能にする通達を、すでに出している。同通達は、7年前の東日本大震災で三陸沿岸を中心に「5654台」(全ト協記録誌による)の営業用トラックが流失などの被害に遭ったときと同じ内容の措置だ。

     今年7月の「西日本豪雨」で破損・水没と把握された営業用トラック353台をはるかに上回るトラックが被害に遭っている。兵庫県内のトラック事業者は、「分かっているだけで2000台以上ものトラックが被害に遭っていて、なぜ、そのことが大きな問題として取り上げられないか疑問。ただでさえ人手不足によるトラック台数の逼迫があるのに」と話している。

     
     
     
     
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