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物流ニュース
Honda 荷室低床化で効率アップ、軽貨物車に新しい風「N―VAN」
2018年10月18日
Honda(本田技研工業)が7月に発売を開始した「N―VAN(エヌバン)」。同社法人営業部の松村潤一主任(写真左)は、「低床化による荷室の拡大や先進の安全運転支援システムの搭載など、従来の軽貨物車とは一線を画す仕様」と自信を示す。
本田技術研究所・四輪R&Dセンターの古舘茂主任研究員(同右)は、「荷物をたくさん積めるというのが軽バンの最大の価値だった」とした上で、「時代の流れから環境や燃費への対応も不可欠になってきており、荷物だけでなく、働く人にも目を向けた製品作りを行った」と説明する。
同社には乗用タイプの大ヒット商品「N―BOX」があるが、同車種のエンジン、ミッションを活用しつつ、「いかに荷室を広げるか、というのが『エヌバン』の課題だった」という。
そこで、同車両では、燃料タンクを前席の下に収める同社独自の「センタータンクレイアウト」を採用。荷室を低床化し、高さのある荷物にも対応できる空間となっている。380mm×310mm×280mmのダンボール箱であれば71個も積める。
また、センターピラーレス仕様により、助手席側に大きな開口部を設定。荷物の積み下ろし作業を効率良く、スムーズに行える。「床が低いので、どこからでも荷物に手が届く。荷室に容易に乗り込むことができる点も、ユーザーからの評価が高い」。
さらに、安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を標準装備。緊急ブレーキはもちろん、歩行者との衝突回避、標識の見落とし防止、車線検知などの安全機能を搭載する。
商用車にはオーバースペックだという声もあるというが、「乗用車向けに開発した技術は、商用車にもしっかりと生かしたい」というのが同社の方針。「N―BOX」が「いちばん売れている車で生産量が多い」ため、「最新の優れた機能を、比較的、低コストで提供できる環境にある」のも、同社の決断を後押ししているという。
積載量だけでなく、積み下ろしのし易さや、横滑り防止など安全面にも配慮した同車両。松村氏は、「免許制度の改正で、運送業に従事されるドライバーも減っており、このクラスの車をもっと充実させていくことが重要と考えている」と語る。
燃費はリッター23.8km。古舘氏は、「商用で20kmを大きく上回るのは難しいと言われてきたので、ケタ違いと言って良いのではないか」と胸を張る。常に最適な変速比を選択し、その運転状態をキープするCVTを、同社では商用車で初めて採用。「耐久性を心配される方もいるが、荷物を積んでも問題ないレベルを保持している」とし、スムーズな加減速による疲労軽減に「一度乗ったらやめられなくなるはず」。
両氏は、「人にも荷物にも優しい車で、業界に新しい風を吹かせたい」と、同車両のさらなる普及を意気込んでいる。
◎関連リンク→ 本田技研工業株式会社
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