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物流ニュース
LINEで荷待ち問題解消、ブレイブロジスのバース予約システム「TruckCALL」
2018年12月11日
ブレイブロジス(磯本悟CEO、大阪市北区)が開発したトラック呼び出し・バース予約システム「TruckCALL(トラックコール)」が、物流センターの待機問題を解決しうるツールとして、注目を集めている。
「ボタンひとつでトラックを呼び出せる」という同サービスは、すでに社会インフラとして定着しつつある「LINE」を活用。物流センターの受付場所にiPadとプリンターを設置。到着したドライバーがiPadに車番や車格を入力すると、整理券が発券されるとともにドライバーのLINE上にも番号を表示。順番が来ると、その旨と、行くべきバース番号がLINEで通知される。LINEを使っていないドライバーには、待機所に専用のモニターを置くことで対応。また、センター到着後の順番待ちだけでなく、LINE上で事前予約もできる。
前身の「LINEで順番待ち」サービスを昨年3月にリリースした同社。当初は飲食・小売業向けだったが、「昨夏に開かれたある展示会に出展した際、アサヒロジスティクスの横塚元樹社長に興味を持っていただき、トラック向けのサービスを開発することになった」という。実際に物流センターで詳細なヒアリングを重ね、同12月に運輸・物流版をリリースした。
磯本氏は、「父が大手の運送会社で長距離ドライバーとして勤務していた当時、『深夜に走って、朝に着いて、ようやく昼に荷物を下ろせる』というような話をよく聞いていて、大変な仕事だという認識はあった」とし、同氏自身も、学生時代に運送会社でのアルバイト経験があり、「周りの人たちの苦労話を聞き、『業界の課題を、ITで解決できれば』という考えをずっと持っていた」という。
これまで、ドライバー側は「何組待ちか分からない」「現地に行かないと混み具合が分からない」ことに加え、「受付で名前や携帯番号などの個人情報を書きたくない」などの悩みがあった。一方、物流センター側では、「何台待っているか分からない」「ドライバーが書いた字が読めない」「どのくらい待たせているのか分からない」といった課題も。
同サービスを導入することで、ドライバーは現地に行く前に待ち組数が分かるようになる上、手書きの必要がなくなり、呼び出し番号だけでのやり取りが可能になる。また、画面を見れば、自身の順番がリアルタイムで把握できるため、待ち時間に対するストレスも軽減される。
物流センター側では、待機状況を電子データで分析・保管できるため、業務改善に役立てることが可能。「待機させている時間だけでなく、接車履歴、混雑時間帯、納品完了までの時間などもグラフ化できる。集中する時間帯を避けるように改善すれば、全体の作業時間を減らすこともできるはず」。
また、車の入れ替わりがスムーズになり、バースの回転率が上がって作業時間を短縮できるという効果が。「ユーザーの中には、バースの占有時間が30分から20分に短縮できたケースもある」とし、「受付の完全無人化を果たしたセンターも出てきている」という。
利用料は1センターあたり月額2万5000円で、利用できるトラックの台数に制限はない。「昨年12月の運輸・物流版の発表以降、毎日のように問い合わせが来ている。これまで、さまざまなサービスを出してきたが、ここまでの反響は初めて」と、手応えを感じているという同氏。「全国どこでも同じシステムで予約できるよう、プラットフォーム化を図りたい」と先を見据える。
◎関連リンク→ 株式会社ブレイブロジス 「TruckCALL(トラックコール)」
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