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物流ニュース
自動計測装置で重量車の加速・減速 「一定の精度の中」
2018年12月6日
走行中の重量車の軸重を測定する「自動計測装置」について国交省は、測定される重量車の速度が一定(等速度)の状態だけでなく、加速や減速している途中の重量車であっても計測が可能とする立場を本紙取材に明らかにした。加速や減速する際のパターンを複数、道路管理者側で設定し、加速、減速のそれぞれの状態にある軸重が、静止状態の軸重と、どのような相関関係にあるのかを調べた上で「それらを考慮して、ある一定の精度の中にあることを確認している」(国交省・道路交通管理課)としている。そうした物理的な数値の妥当性とは別の面で、重量車を運行させるトラック事業者の思いはやはり複雑だ。
「自動計測装置の精度と関連するため即答は出来ない」。今年3月、兵庫県内の国道43号に設置された自動計測装置について本紙が取材したときの国交省・道路交通管理課の回答だ。当時の論点は、同じ運行を10年間以上もしている同じ型のトラックが、昨秋までの2か月間の間に26回も軸重違反を繰り返していた、と指摘を受けた点に関するもの。「過去の運行では違反でなく、今回違反を26回も連続でしているというのはどういうことか」。事業者自身、整合性がつかず合点がいかないといったものだった。
本紙は、昨年度2月までの11か月間の兵庫国道事務所管内の直轄国道での、自動計測装置による軸重違反感知件数が1300件あまりであることをもとに、警告を受けた事業者数を公表するつもりがあるかを国交省に打診。返ってきた答えが「装置の精度に関するので…」といった答えだった。
それ以降も重量トラックを運行させる事業者からは、自動計測装置の、装置としての妥当性がどういった手法で担保されているのかを問う形の声が多く聞かれる。典型的なのが、本紙11月12日号の「指導警告は恣意的か」の記事だ。ここで出てきた事業者も、10年以上同じコースで通行してきた同型車両が、数か月間で複数回の違反警告を受けている事例だった。
道路交通管理課はこうした指摘に対し、自動軸重装置が設置される場所で、実際の重量車両を用いて走行実験をしていると回答。そのうえで、走行中の重量車の軸重を正確に測れるのかとの問いについて、「どんな機械でも誤差はある。それを考慮して、(測定数値が)ある一定の精度の中にあることを確認している」と回答している。
また、事業者からの指摘が多い、減速時に前のめりになった車両の軸重が、特にトレーラでは大幅に大きくなる点について同課は、「たとえば時速●×キロから同▼○キロに減速したとき、といったパターンを複数設定し、その中での数値の妥当性はあると考える」などと回答している。こうした回答に、事業者らの顔は曇りがちに。ある事業者は、「荷主から重量証明があって、その中で走行していては、わが身を守れなくなっている」と話す。
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