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    改正貨物事業法が成立 「標準運賃は乗務員確保策」

    2018年12月17日

     
     
     

     トラックの乗務員を確保することで物流を滞らせないための改定貨物自動車運送事業法が8日、参議院本会議で全会一致により可決、成立した。改定事業法により国交大臣は、適正な原価を基にした「標準的な運賃」を2024年3月末まで定めることができるようになる。物流を停滞させないためトラック乗務員を確保する必要があると認め、そして乗務員の確保のためには標準的な運賃が必要とも認めたのが改定事業法の要旨だ。「新自由主義的」(法案提出議員)な運賃制度からの転換点なのは間違いないものの、標準運賃はあくまで時限的な扱いにとどまる。

     参議院によると、法案は4日に衆議院に提出され、8日に参議院で全会一致で可決されるまで審議は4日間のみだった。公表されている議案要旨によると「標準的な運賃」に関する文言は次の一文。「平成36年3月31日までの間、国土交通大臣は運輸審議会に諮り、一般貨物自動車運送事業の能率的な経営の下における適正な原価及び適正な利潤を基準とした標準的な運賃を定めることができることとする」

     また、標準的な運賃を定める目的として議案要旨には、「…運転者の不足により国民生活及び経済活動の重要な基盤である貨物流通に支障が生ずることのないよう、標準的な運賃を定めることができる…」などとしている。つまり、標準的な運賃の設定は、トラックの乗務員の確保のためであり、また乗務員を確保することで物流機能を守ろうというのが改定事業法の姿だ。

     事業法63条は改定前から「標準運賃及び標準料金」を定めた条文だ。トラックの需要と供給が著しくアンバランスに陥りそうになったときの緊急的な標準運賃を定めたもので、いわば需給の調整役としてのもの。改定後は、乗務員不足によって需給調整そのものが不能になる恐れがある今後に向けた乗務員確保策が前面に出たものだ。

     標準運賃は、運賃デフレが長く続いた数年前まで事業者から待望されたものだった。現在も、「大量のトラックを出している大口顧客の定期仕事に関しては運賃が上がらない」との声は数多くあるものの、別の荷物や仕事の引き合いが多いことから、運賃は上昇傾向。そんな中での標準運賃導入には「なぜ、このタイミングに」といぶかるトラック事業者の声すら聞かれるようになっている。

     しかし、荷主︱元請け︱下請け︱孫請け…と続く弱肉強食体制だった物流業界を、「新自由主義的施策が2000年代以降、運輸業界では相次いだ」(法案を提出した津村啓介衆議院議員)とみなす向きからは、標準運賃化は「間違いない方針転換だ」(兵庫県内のトラック運送事業者)と見えるという。

     もっとも標準運賃は、「働き方改革」がトラック乗務員の労働時間に直接の影響を及ぼす24年までの時限的な施策だ。若手のトラック事業者からは、さらに先を行った新自由主義的な発言も。「AIによって乗務員が完全に取って代わられるのは、もう少し先といわれる。標準運賃が労働力確保策なのであれば、AIに取って変わられる時が真の運賃の自由化のときなのかも」。24年前後のトラック産業の市場を見越しての発言だ。

     
     
     
     
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