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物流ニュース
労働時間や拘束時間 自助努力の改善困難
2019年2月19日
昨今のドライバー不足が一般の報道でも取り上げられており、業界内では、荷主の理解も得られるようになったとの声も聞かれる。しかし現場では、荷主の理解を得られたとしても、それを即、経営改善へ直結させることは難しいのが実情で、とりわけ、末端における労働時間の管理は困難さが顕著のようで、長時間労働の抑制の徹底には、まだまだ時間が掛かりそうだ。
「ドライバー不足で、荷主は運賃については理解を示すようになってきた」と話す千葉県内の事業者。同社として適正とまではいかないものの、それなりの運賃収受ができてきたという。
しかし、それをすぐにコンプライアンスの徹底へつなげるのは困難だとこぼす。
同社社長は、「運賃が上がったとしてドライバーの賃金を上げられたとしても、労働時間や拘束時間の短縮ができない」と嘆く。
「荷待ち時間を縮小できれば改善の余地もある」という同社長だが、荷積みや荷下ろし先の状況は、荷主との交渉ではどうにもならないのが実情のようで、「荷主も強く言えない立場にあるので、うちが直接現場と交渉することになるが、荷主の立場もあり、交渉には限界がある」という。
その上で、「荷主が荷積みや荷下ろし先に対しても、絶対的な立場にあれば、荷待ち時間の改善も何とかなるかもしれない」というが、「そうでなければ、現場の理解を得るのが難しく、自助努力による改善は難しい」とこぼす。
加えて、現場での人手不足も追い打ちをかけているという。同社長によると、荷積みや荷下ろし先でも、人手不足が鮮明で、フォークリフト要員が足りずに、同社のドライバーが手伝うケースが多いという。結果的に、そうした環境によって、荷待ち時間の解消どころか、これまで以上に増加傾向になっているという。
「ドライバー不足を考えると、労働時間の改善を図らなければいけないことは理解できるが、現状を考えると、うちだけではどうにもならず、やり方がみつからない」と、まさに八方ふさがりの状況を嘆く。
「もっと問題が大きくなって、業界全体で、もうどうにもならないという状況に追い込まれなければ、改善されていかないのかも知れない」とこぼす同社長は、「これからは行政の取り締まりにびくびくしながら経営する日々が続く」と本音を漏らしている。
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まず荷主さんの改善が必要ではないでしょうか?
昨今、ドライバーが荷積み荷下ろしが当たり前に考えてる荷主さんや現場の方が多いようですし…ドライバーは運転だけで楽な仕事と勘違いされてる様に感じます
あとドライバー不足は労働時間や拘束時間を見ても30年まえから収入が変わらないか、安いからだと思います
物価も税金も上がってます荷主さんも運送会社も、そこから考えて改革を全体で理解しないと何も変わらないしトラック協会や関連会社や國も本気で改革しないと駄目だと思います。