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物流ニュース
ラストワンマイル協同組合 宅配大手と差別化、BtoBやBtoCにも対応
2019年3月7日
通販の台頭もあり、宅配業界は現在、宅配ドライバー不足や配送料の値上がりなど、荷主、宅配事業者ともに大きな課題に直面している。こうした中、課題解決のため昨年4月、中小運送会社が集まって協同組合を立ち上げた。宅配大手が敬遠する長尺物や白物家電など、かさばる荷物を扱うことで宅配大手との差別化を図りながら、BtoB、BtoCにも対応していく。
協同組合では今後、組合員らが首都圏を中心に宅配サービスを手掛けるとしているが、大手システム会社や大手路線会社の協力を得たことで、全国展開も図っていくとしている。
昨年4月に中小運送会社23社が集まって作ったのがラストワンマイル協同組合(志村直純理事長、東京都府中市)。
志村理事長が経営するデリバリーサービス(同)をはじめ、プラウド(同千代田区)、地区宅便(同練馬区)、トータルサポート(同大田区)、翔和サービス(横浜市瀬谷区)、千葉通商(千葉県東金市)、I・L・O(埼玉県所沢市)、ドリームネット(同新座市)など24社が加盟しており、それぞれ担当するエリアでの宅配を手掛けている。
志村理事長によると、協同組合を立ち上げた当初、システム障害に見舞われ、システムの再構築を迫られたという。その後、ヤマトグループのヤマトシステム開発の協力を受け、昨年10月初めにシステムを完成させた。
一方、同組合では、システム再構築の間に準備を着々と進めており、10月に東京・立川に1200坪の仕分けセンターを構えると、東京に3か所、神奈川に1か所、埼玉に2か所、千葉に1か所と、合計7か所に第2ハブセンターを設け、さらに最終配達センターとして37か所にセンターを構え、小口配送を行うための万全の態勢を構築したという。
昨年10月にシステムが完成したことを受け、荷主からの注文受け付けを開始すると、同月下旬には、家具や楽器メーカーから受注が入り、宅配サービスを本格的に開始した。
志村理事長によると、宅配市場の大幅な値上がりと、加えて宅配大手が長尺物などのかさばる荷物の輸送を敬遠するということが続発したことで、そうした荷物を製造販売する荷主が困り、同組合へ相談を寄せるケースが相次いだという。
同組合では、すでに通販大手との契約を済ませており、さらに現在、大手メーカーとの契約を水面下で進めている。
同組合が手掛ける宅配サービスは、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木の1都5県でのサービスとなるが、同理事長によると、日通やヤマト、佐川や西濃、福通など、大手路線会社が出資するコラボデリバリー(有冨慶二社長、東京都中央区)の協力を得ることに成功し、これにより今月から全国展開が可能になったという。
運賃については、個人向けと法人向けが設定されており、月間の出荷個数による割引やセンターへの持ち込みによる割引など、組合独自の割引サービスを設けている。
組合では、設立から3年で、取り扱い件数1日5万件を目標にしており、「顧客の反応も良く、目標達成も現実味を帯びてきた」と同理事長は自信を見せている。
◎関連リンク→ ラストワンマイル協同組合
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