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物流ニュース
太陽光パネルを活用 ランニングコスト削減対策
2019年3月7日
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー機器を全国へ提供・施工してきたエコスタイル(木下公貴社長、東京都千代田区)は太陽光パネルを活用した倉庫のランニングコスト削減に貢献してきた。担当者は「原子力発電所の廃炉に向けた動きなどもあり、電気代は年々増加していく流れが出来上がっている。例え、今は問題となっていなくても今後を想定した時、冷蔵・冷凍倉庫の電気料金対策をしておく必要はあるのではないか」と話す。
同社で実際に施工した関西圏での冷凍倉庫の事例では、契約電力140kWかつ数百坪規模の倉庫で年間の電気料金が800万円だったところを、太陽光パネルの設置と電力会社の変更で年間120万円の電気代削減を達成。パネルは170枚程度の設置で、投資額は1000万円程度。担当者は「このケースでは回収に8年余りかかる計算になるが、地方自治体の補助金・助成金、または中小企業経営強化税制といった控除措置を受けられるケースでは、より短い回収期間の実現が可能」と話す。
また同社では、RE100など世界的な環境対策・SDGs推進の流れにも注目している。担当者によれば、事業者入札の際にも、料金的な部分と併せ、環境対策の有無が評点とされた事例もあり、「今後も協力会社に環境対策を求められるケースは増加するのでは」と分析している。
なお、ソーラーパネルは、天候の影響を受けてしまい、また電気代削減額も倉庫のエネルギー消費形態によって異なる。同社担当者は「直近12か月の電気使用明細があれば、エリアと合わせて1年間での使用量を予測可能。当社では無料サービスとして展開しているので、一度シミュレートされることをお勧めしたい」と話す。
環境対策につながる機器の設置・販売をコアに、様々な提案を行ってきたプレジャーハウス(布施浩社長、愛知県名古屋市中川区)も冷蔵・冷凍倉庫のランニングコスト対策に太陽光パネルの活用を提案している。
布施社長は「これまでは固定買い取り制度が太陽光発電で注目されていたが、発電された電気の買い取り価格が年々減少傾向にあることからも、今後は環境対策・電力費用削減に貢献できる自家消費型が中心となっていく可能性が高い」とし、「RE100などに加盟する国内企業の増加と併せ、太陽光発電に関わるイニシャルコスト(初期費用)は下降傾向にある」としている。
同社で実際に倉庫の屋根に設置したケースのシミュレーション例を出してもらうと、およそ200坪程度のスペースに太陽光パネルを設置したとして、年間の消費電力を5万4500kWh分削減できると試算でき、年間およそ80万円以上のコスト削減が可能。メンテナンスコストを含めても回収年数はおよそ8・5年という。
なお、同社では太陽光パネルの設置費など初期費用を、0円から開始できるレンタルスキームを、金融機関の協力のもと独自に展開中。屋根への設置費用など初期投資分を除くレンタル費用だけで太陽光パネルの設置が可能。レンタル費用も削減された電力代から支払う形となっている。実際に物流倉庫の屋根に設置した際も、300kW分のパネルを設置し、年間で差し引き200万円以上のメリットを享受できたという。布施社長は「倉庫の年間使用電力や、地域の自然環境にも左右される部分はあるが、導入前に年間のメリットをシミュレートすることも可能。中小企業経営強化税制をはじめとした優遇制度と併せ、新電力切り替えといった戦略も提案している。コスト削減に関心のある方は、ぜひお声掛けを」としている。
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