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物流ニュース
拡大するEC市場 労働力不足を補うツール・システム
2019年5月20日
経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、2017年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は16・5兆円(前年比9・1%増)、BtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は317・2兆円(同9・0%増)に拡大。その後も継続して進展している。そのような状況のなか、労働力不足による賃金上昇などの影響を受けて、輸送運賃は上昇傾向にあり、労働力不足を補うための省人化・効率化が求められている。
受注・在庫・出荷・倉庫管理の全てを効率化するオールインワン型自動出荷ツール「ロジレス」の企画・開発・運営・販売を行っているロジレス(西川真央社長、東京都豊島区)。同社の「ロジレス」は、受注管理システム(OMS)と倉庫管理システム(WMS)を統合し、受注管理、在庫管理、出荷作業、倉庫管理など一連の業務を効率化することができる。
共同創業者で取締役の足立直之氏は、「受注管理の仕組みとWMSの仕組みは通常、切り分けて使われることが多く、それらの連携は大変な労力がかかる」という。「CSVなどで連携してやらなければいけないところを、一つのシステムの中で連携している」とし、「ネットショップに特化したWMSで、朝から効率的に出荷作業ができる」としている。
物流倉庫は基本、WMSを入れるだけで、同社が受注管理の部分とつないでくれる。物流倉庫には、受注処理の結果がリアルタイムで出荷指示に変換。出荷代行業務を大幅に効率化する。
モバイル端末への地図サービスなどを提供しているゼンリンデータコム(清水辰彦社長、同港区)は、ゼンリン住宅地図を活用した、配達ドライバーの業務効率化支援サービス「配達アプリ」を提供。全国の住宅地図が閲覧可能で、宅配業務に必要な戸建てからマンションまで対応した住所の表札情報、ビル及びマンションの情報、一方通行の道路情報を正確に把握することができる。
配達先の住所とともに、配達指定時間を登録することもでき、配達先の宅配ボックス有無、配達時に気が付いたメモを配達時に呼び出すことも可能。また、地図上に配達指定時間ごとのアイコンが表示されるので、優先するべき配達先をひと目で確認することができる。
同社は「物流業界向けで、事業者の規模に関係なく導入しやすいアプリ」とし、「住宅地図が見られるアプリが今回はじめて提供されることになったので、宅配効率を上げるためのアイテムとして利用して欲しい」としている。
このほか、日々行われる事務作業においても、電話やメールのやり取りを自動化することで、省人化を図ることができる可能性があるのがチャットボットで、事業者同士の利用も増えているという。Webコミュニケーションカンパニーのフォー・フュージョン(鈴木昭彦社長、同渋谷区)のFAQ連動型チャットボット「Guide BOT」は、ユーザーのメッセージを読み取り、最適なFAQ記事を提示する。
WebC事業部の大塚貴仁氏は「最善な回答を膨大な知識として蓄積できるナレッジベースをもとに開発したアプリケーション」と、「Guide BOT」を紹介。セールスチームの金子美玲氏は「ユーザーはFAQページにアクセスすることなく、口語でチャットボットに質問することができ、関連したFAQ記事から回答され、自己解決が可能となる。そのため、大幅な問い合わせ削減が実現できる」とした。
ほかにも、プロジェクト管理ツールの開発などを行っているアスニカ(原戸陵至社長、同品川区)のチャットボット「フルタイム」は、形式的な質問や簡単に説明できる問い合わせ対応について、約70%削減することができる。
同社は、「EC事業者から倉庫事業者に対してのやり取りも、アナログのものでなければ全て自動化することができる」とし、「テスト運用として現在、倉庫業者とのデータ連携が行われている」という。
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