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物流ニュース
トラックによる「子ども110番の家」 地域貢献の一環にも
2019年8月7日
5月末、神奈川県で登校中の小学生が男に襲われ、児童1人と保護者1人が亡くなるという痛ましい事件が起こった。これを受けて、福岡県糟屋郡に本社を構えるある運送事業者では「子供たちを守るために何が出来るか」を考え始めたという。その一つが「トラックによる『子ども110番の家』」だと同社の常務は話す。
「いざという時に、町中を走るトラックが子供たちを守る存在になれたらと思った。道行くトラックに『子ども110番の家』ステッカーが貼ってあれば、あのような犯罪を減らすきっかけにもなるのではないだろうか」と同常務。
相乗効果として、ステッカーを貼るトラックに乗務するドライバーもまた、安全運転を意識した業務が出来るだろうというのだ。
民家の外壁に「子ども110番の家」ステッカーが貼られているのは見たことがあり、トラックに貼れるのか県警の担当部署である生活安全総務課に聞いてみた。
「県警本部への事前申し込みは必要ない。ステッカーも警察では配布していないので、独自にステッカーを作製し、取り組みを開始する際に最寄りの警察署に、その旨を伝えてもらうだけで手続きは終了」と担当者。
助けを求められた際の対応については、警察庁が公開している対応マニュアルを参考にしてほしいとの話であった。
岩手県や静岡県のトラック協会では実際にこの活動に取り組んでおり、協会独自のステッカーを会員企業の協力でトラックに貼っている。有事の際には子供たちを保護するとともに、関係先(警察や保護者)への連絡を行う。
冒頭のような事件が起こるのは非常に稀なことではあるが、「110番」ステッカーが貼られたトラックが町中を走ることで、多くの犯罪の抑止力になれるのではないだろうか。同時に、地域住民の安心感にもつながると考えられる。地域貢献の一環としての「子ども110番の家」への取り組みが、業界のイメージアップにもなるだろう。
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