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物流ニュース
日野自動車 最新安全技術試乗会「トラックにも採用したい」
2019年7月30日
日野自動車は6月14日、トラック、バスの「最新安全技術試乗会」を開催した。同社は、「安全性をより高めた装備を開発しても、利用されなければ意味がない」という考えのもと、積極的な標準装備化を進めており、最新の2019年モデルには、ドライバーモニターⅡや前進誤発進抑制機能などを搭載している。
試乗会に先立ち、先進技術本部副領域長の奥山宏和氏が最新技術について概要や経緯を説明。「新車には開発した技術を速やかに導入し、既販車についても、『モービルアイ』といった後付け可能な純正商品の販売を強化する」と述べた。
高速道路では、追突起因の事故と路外逸脱による単独事故が多いという傾向をもとに、既に投入済みの「ドライバーモニター」を進化させ、「同Ⅱ」を開発。最新AIが顔の向きや姿勢を検知し、ドライバーの瞼が閉じたり、運転姿勢が崩れると、画面と音で警告を発する。「従来の顔認識は鼻を第一に確認する方式だったが、様々な情報をもとに顔を認識するように改良。そのため、マスク着用でも対応可能となった」。
今年5月に発売された小型トラック「デュトロ」には、車両前面に4つのソナーセンサーを配置。「超音波で障害物を検知するため、コンビニに代表されるガラス張りの壁や暗所でも対応できる」という。
このソナーセンサーを利用して、アクセルの踏み間違いによる衝突回避を支援する「前進誤発進抑制機能」や、狭い場所での駐車時に障害物との距離を3段階の警告音とディスプレイ表示で知らせる「クリアランスソナー」などを新たに搭載した。
4月発売の大型トラック「日野プロフィア」には、「サイトアラウンドモニターシステム」を採用。右左折などで交差点に進入する場合に、直進する自動車や自転車といった移動物をミリ波レーダーで検知する。「死角が広範囲にわたる大型トラックで出合い頭の事故削減に貢献できる」。
来月発売の大型観光バス「日野セレガ」には、商用車として世界初となる自動検知式の「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」を搭載。ドライバーの瞼の開閉状態やうつ伏せ、俯き、仰け反りといった運転姿勢の崩れに加え、車線逸脱から復帰操作がない場合に自動的に減速し、停止する。停止前には、ホーンとストップランプ、ハザードランプの点滅で車外に緊急事態を知らせる仕組み。同社は、「将来的にはトラックにも採用したい」と意気込みを見せた。
奥山氏は、「大型トラックをはじめとする商用車メーカーとして、安全の担保は社会的責務」と強調。「今後も交通事故死傷者ゼロに向け、取り組んでいく」と締めくくった。
◎関連リンク→ 日野自動車株式会社
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