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    改善基準告示を大幅見直し 「睡眠時間」規定の可能性も

    2019年7月18日

     
     
     

     働き方改革関連法による時間外労働の罰則付き上限規制(一般則)が4月にスタートした。トラックドライバーについては、5年間の猶予が設けられ、2024年4月1日から「休日を含まず年間960時間」の上限規制が適用される。これとは別に、現行の改善基準告示の拘束時間(労働時間と休憩時間の合計)は年間3516時間と規定され、時間外労働の上限が年間960時間となった場合、同告示では216時間長くなるダブルスタンダード問題が浮上している。厚労省は、現行の改善基準告示を見直すため、行政や学識経験者らを交えた検討会(仮称)を今秋、立ち上げることが本紙の取材で分かった。「令和の時代にふさわしい内容」に向けて全項目で議論し、大幅な改定を行う見込みだ。同省労働基準局の担当官は「ドライバーの健康管理がメインテーマになる」と強調。現在は規定のない「睡眠時間」規定が新たに加わる可能性も示唆している。

     ダブルスタンダード問題は昨年、国会で取り上げられ、当時の加藤勝信厚労大臣が「(改善基準告示の)拘束時間を年間3516時間から3300時間に見直す」と明言。見直しにあたり「早朝・深夜の勤務、交代制勤務、宿泊を伴う勤務など多様な勤務実態や危険物の配送など業務の特性を十分に踏まえ(以下略)」などと衆議院で付帯決議した。

     改善基準告示は1989年2月に施行後、数回の改正を経て、現行基準は97年4月から適用されている。この間、社会状況は大きく変化した。「働き方改革」のニーズにそぐわない部分もあるとの指摘も多い。

     厚労省は「働き方改革」の考え方を柱に、「拘束時間」「休息期間」「運転時間」「時間外や休日労働」など、すべての項目で「新たな視点」を採り入れて「抜本的に改正」する。

     担当官は、その1つとして「20年前には考慮されることはなかった睡眠時間」を挙げた。同省では「健康づくりのための睡眠指針」を策定するなど、睡眠について様々な研究・報告を行っており、個人差はあるものの、人に必要な睡眠時間(脳波計測による純粋な睡眠時間)は「6時間以上8時間未満」と説明。睡眠時間が6時間未満の場合、居眠り運転や自損事故、追突事故の頻度が高くなることから事業者に注意を呼び掛けてきた。

     改善基準告示の「休息期間」は、「疲労回復、睡眠」などの生活時間(家族団らんやテレビ、読書も含む自由時間)として「8時間以上」と規定しているが「帰宅後8時間で食事、入浴後、床に入り、入眠。起床後、朝食、身支度などすべてを含めて、純粋な睡眠時間が十分とれるのかどうか」「今の時代、拘束時間とドライバーの健康管理を考える時、睡眠時間は新たな視点として、どうしても議論せざるを得ない」という。

     改正では、拘束時間の削減が求められており、「連続運転時間4時間」についても「集中力が4時間続くのかどうか」なども議論の対象になるという。

     過去の改正では、運転できる時間がどんどん短縮され、遠距離トラックが事実上、運行不能となるケースも続出した。今回は、さらに大規模な改正となり、現場には、今以上に厳しい労働時間管理が求められることになる。改正内容は周知徹底の期間が必要なため、検討会は24年4月より少なくとも1年以上は前倒しで結論を出す見込みだ。

     
     
     
     
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