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物流ニュース
三菱ふそう 「スーパーグレート」技術勉強会、高度運転支援機能を導入
2019年8月16日
三菱ふそうトラック・バスは7月24日、年内に発売予定のレベル2の「高度運転支援」機能を導入する大型トラック「スーパーグレート」の技術勉強会を開催した。ブレーキとアクセル、ステアリングを制御する新機能「アクティブ・ドライブ・アシスト(ADA)」や衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト(ABA5)」の改善点などを紹介した。
エンタイヤビークル開発統括部長の恩田実氏は、「大型トラックが関係する事故は、36%が追突やすれ違いなどが原因。これらは運転支援機能で防げる」と語り、「当社は、国際的なパートナーとの強い協力関係によって、最新技術を反映できる」と説明した。
続いて登壇したメカトロニクス開発部マネジャーの木下正昭氏は、「2017年にレベル1を市場に投入し、好評いただいている」とし、「レベル2はメルセデス・ベンツブランドの大型トラック『アクトロス』に搭載される技術を共用している」と説明した。
「ADA」は、全速度域に対応したレベル2の運転支援機能で、レーンキープ機能(LK)や車線逸脱抑制機能(LDP)を搭載している。
LKは、カメラで車線を認識し、ステアリングを自動制御することで、車両の車線内への維持をサポート。LDPは、時速60km以上での走行時に、ドライバーの意図しない車線逸脱に対してステアリング操作に介入して、車両を車線内に戻す。木下氏は、「ドライバーが常に運転できる状態にあるか、ハンドルに手を添えているかどうかで検知する。30秒以上の手放しで警報を発し、60秒以上で警報とともにLKを停止する」と説明する。
「LKやLDPは、幅も重量も乗用車より大きい商用車への対応に苦戦した」と明かす同氏。「車体が重いため、ハンドル操作が間に合わず、幅の広いトラックを3.2m程度の車線内で走行させることは非常に厳しい挑戦だった」と振り返る。「かなり遠くの車線を予測して認識させ、ハンドルを操作することで解決した」という。
「ABA5」は、従来のレーダーに加えてフロントガラスに搭載したカメラとの組み合わせにより、被害軽減ブレーキを強化。「車両前方の障害物をより精度よく検知できるようになり、特に静止物への衝突回避能力が向上した」という。「従来は警報ブレーキのみだったが、精度を高めたことで、必要に応じてフルブレーキを作動させるように変更した」。
また、商用車で日本初となる「交通標識認識機能」も搭載。進入禁止や速度制限といった5つの標識をカメラで認識し、メーターのディスプレイ内に表示させる。「誤って進入禁止道路へ進入した場合、画面上にポップアップ表示させるとともに音の警報で知らせる」という。
具体的な発売時期は、「今秋を目指す」と明言を避けた。恩田氏は、「レベル2の高度運転支援を足がかりに、他社に先んじてレベル4を市場に投入したい」と意気込みを見せた。
◎関連リンク→ 三菱ふそうトラック・バス株式会社
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