-
物流ニュース
UDトラックスなど3社 大型車によるレベル4技術の自動運転実証実験
2019年9月27日
UDトラックス(酒巻孝光社長、埼玉県上尾市)、日本通運(齋藤充社長、東京都港区)、ホクレン農業協同組合連合会(内田和幸代表理事会長、札幌市中央区)の3社は8月29日、ホクレン中斜里製糖工場で同5日から行われている「レベル4(特定条件下における完全自動運転)技術」を用いた大型トラックによる自動運転の実証実験を公開した。
てん菜の運搬業務を想定した走行をレベル4技術の自動運転トラックで再現、国内初となる公道を一部含むルートでの試験走行を実施した。
UDトラックスの「クオン」ベースの車両を使い、「誤差数cmの精度」を確保することができる技術をはじめ、多くの自動運転技術を駆使し、およそ1.3kmの運搬ルートを時速20kmで自動走行。「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」に基づき、ドライバーが搭乗し、有人緊急操縦態勢を確保した上で実施した。
UDトラックスの酒巻社長は「人手不足という大きな社会課題に業界の垣根を超えて取り組んでいかなければならない。今回、商用車メーカー、物流、農業が手を組み、広大な農地を持つ北海道の協力を得て実証実験を実現させることができた」と述べ、ダグラス・ナカノ開発部門統括責任者は「レベル4技術を反復作業が中心である大規模な限定領域で活用すれば、物流は大幅に効率化される。多様な物流現場で求められるソリューションとしてのレベル4自動運転システムを開発し、さらに大規模な用途へと応用していければ」と話した。
ホクレンの内田代表理事会長は「将来に向けた輸送力確保の新たな手段として自動運転車両の早期実用化に期待している」と述べ、日本通運の竹津久雄副社長は「ドライバー不足は今後深刻化していく。大量の貨物を反復して同じ経路で輸送する業務に自動運転トラックを活用できれば、省人化や効率化が期待される。工場、港湾、空港などの大規模施設内は限定空間であり、運用ルールも徹底しやすいことから比較的早期の実用化が期待できる。実験の結果を踏まえ、今後も引き続き、具体的な物流シーンへの活用に向けて検討したい」と述べた。
北海道の土屋俊亮副知事は「基幹産業の一つである農業、それを支える物流は、本道はもとより日本経済を支えており、自動運転技術など先端技術の積極的な活用による物流効率化の実現は、深刻化するドライバー不足などの課題解決につながる。今後も産業の垣根を越えて支援させていただく」とした。
今回の共同実証実験は、自動運転の技術的な実証および実用化における課題の抽出を主目的として実施。UDトラックス、日本通運、ホクレンの3社は「農業の輸送効率化をはじめとする物流業界を取り巻く課題の解決に向け、今回の実験結果を検証し、各社で引き続き検討していく」としている。
◎関連リンク→ UDトラックス株式会社
この記事へのコメント
関連記事
-
-
-
-
「物流ニュース」の 月別記事一覧
-
「物流ニュース」の新着記事
-
物流メルマガ