-
物流ニュース
浜松倉庫 中山彰人社長 「未来像をシステムに」
2019年10月29日
明治40年から静岡県浜松市を中心に「正確に、迅速に、親切に」を掲げて倉庫・運送事業を核とする総合物流サービスを展開する浜松倉庫(中山彰人社長、浜松市)。現在、抜本的なIT改革に着手し、「業務スリム化」「品質向上」「営業力強化」を柱に、豊田自動織機ITソリューションズが提供する物流テンプレート「LogiComp-WMS」とアシストが提供するセルフサービス型BIプラットフォーム「Qlik Sense」を採用している。
中山社長は「当社は今年で112年になる会社です。この地域では一番古い会社というわけではなく、まだまだ新参者という位置付けでやっています」と笑う。「新しいことには昔から取り組んでいて、システムだけでなく、女性活用にも力を入れてきました。現場の女性リフト作業者の採用を16年ほど前から続けています。いまでは女性が4分の1を占めており、60人のリフト作業者の中で、15人が女性です」という。
「システム面では40年ほど前に、当時、最先端のシステムを作りました。システムを作る前に会社の未来像、将来像を語り合いました。4年前に若手の管理職を3つのグループに分け、1年かけて浜松倉庫の未来像を出し合ってきました」と説明する。「その結果を、どのようにシステムにしていこうかと考え、システム全体が動き始めたのは昨年の9月ぐらいから。省力化では、全社員120人超ですが、10人の省力化をめざしました。今年7月から都田流通センターを稼働させていますが、省力してできた人材を同センターに持ってきました」という。
「各営業所で個性をつけようという動きもあり、袋井市の営業所ではオール女性化をめざしています。現在、13人の従業員のうち8人が女性です。この2、3年で女性目線での倉庫運営をやりたいと思っています」と中山社長。
「女性に入ってきてもらわないと生き残れないという危機感はあります。男性採用が地元の中小企業で厳しくなっている現状があります」という同社長。「我々レベルの採用では高卒が多い。高校に行って『女性が多い』『全員女性です』と言います。女子高生には現場で働くという発想が、そもそもありません。『女性が多い』と聞くと、『私も大丈夫かもしれない』と思ってもらえます。都田で若い人材を集めているのは、若い力で新しいことにチャレンジしてもらいたいから」という。
中山社長で7代目の社長になる浜松倉庫。志とノウハウを引き継いだまま100年以上にわたって浜松市を中心に事業を展開してきた。今回のシステム導入によって、「全倉庫を無線LAN化し、ハンディターミナルを導入することで、これまで人手や目視での対応により発生していたミスをゼロにすることに成功。また、従来はメールやファクスが主体だった顧客からの入出庫依頼をWebに統一することにより、データ入力作業を削減。在庫確認や入出庫状況をリアルタイムで確認できる環境を実現し、顧客からも高い評価を得ている。今後は『物流KPI』情報を荷主にフィードバックし、双方にメリットのある改善を進めていきたい」という。
◎関連リンク→ 浜松倉庫株式会社
この記事へのコメント
関連記事
-
-
-
-
「物流ニュース」の 月別記事一覧
-
「物流ニュース」の新着記事
-
物流メルマガ