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    整備士は絵本作家「会社の応援に感謝」 暁興産 服部弘樹さん

    2019年11月27日New!!

     
     
     

     「絵本を通して、誰かの気持ちを解放したい」と語るのは暁興産(伊藤康彦社長、三重郡川越町)に勤める服部弘樹さん(写真左)。同社で整備士としてローリー架装などに携わる傍ら、「はっとりひろき」の名前で絵本の創作活動を続けている異色の存在だ。

     伊藤公一専務(同右)は服部さんが昨年、同社の募集にエントリーした時のことを「新聞記事などで名前を知っていたので、とにかく驚いた」と振り返る。

     元々絵を描くことが好きだったという服部さんが絵本創作に目覚めたのは、今から10年ほど前。「妻が子供に絵本を読み聞かせている姿を見て、『自分も描いてみたい』と思った」というきっかけで作り始めた作品は家庭内での高評価も得て、服部さんの背中を後押しした。

     当時の仕事を続けながら地道な創作活動に勤しむ日々。賞に応募するもあえなく落選といった状況の中でも変わらずに夢の続きを模索していた頃、地元四日市市で「児童書の聖地」として名高い書店「メリーゴーランド」の絵本塾の門を叩く。「入るだけでも難しい」という同塾への入門は困難を極めたが、服部さんが現実と直面するのはその先からだった。

     絵本制作のレクチャーだけにとどまらず、しっかりとした講評を受けられることも特徴だという同塾で、入門したものの、描いた作品がことごとく「強烈なダメ出しをくらい、行きたくなくなるほどだった」という。それでも、「塾への入門は絵本に対する『本気のあらわれ』だった」と語る服部さんは、その情熱を頼りに絵本づくりに邁進。「とにかく時間があれば絵本のことばかり考えていた」という日々の中、アイデアの抽出に腐心した先で、ついに「手応えを感じた」作品を生み出す。

     普段は子供らを遊ばせている公園の遊具たちが「自分たちも遊んでみたい」との発想で、思い思いの遊びに興じる絵本「いっぺんやって みたかってん」を発表したのは昨年のこと。公園を飛び出した「滑り台」「ブランコ」「砂場」たちを伸び伸びと描いた快作は、講談社の第39回絵本新人賞を獲得し、「独自の世界観を出したかった」との思いで打ち込んできた自身のスタイルにたどり着いた作品ともなった。

     受賞を機に生活のリズムを絵本中心に移行した服部さんは前職を退職し、さらに創作活動へと没頭。現実世界と空想の世界が融合した意欲作、「トイレロケット」は独創的な世界観が話題となり、その間には、現在の暁興産の仕事にも巡り合った。

     一方で服部さんは「仕事を嫌々やりたくないんです」と語り、絵本作家ではありつつも整備士としての自分にも強い責任感を示した仕事ぶりに抜かりはない。「社長も専務も絵本作家としての自分の活動を『応援する』と言ってくれている以上、整備士としてもいい加減な仕事はできない」との思いで、「溶接が綺麗に仕上がった時には喜びもあります」と笑顔を見せる様子からは同氏の誠実さがうかがえ、ローリー車の架装でも「絵本と同じで、クリエイティブな部分が多い」との見解を述べて相乗効果にも言及している。

     そのほか、非売品ながらも第三回こころの絵本大賞を受賞した「ひよこがほしいもの」も好評を博し、さらに今年の8月には第一回ビルボ絵本大賞を獲得した新作、「そこでええはなさかせてや」が発売されるなど、絵本作家としての実績を順調に積み上げている。取材時には自身の作品を記者に読み聞かせもしてくれるなど、サービス精神も旺盛だ。

     「服部さんが活躍することで社内も盛り上がるんです」と語る伊藤専務は、服部さんの創作活動への協力を表明し、その才能について「もともと備わっていたものだけでなく、あきらめずに掘り下げていった先で得られたものだと思います」と評価し、愚直な姿勢とたゆまぬ努力の先にたどり着いた現在の姿に敬意を込めた。

    ◎関連リンク→ 株式会社暁興産

     
     
     
     
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