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物流ニュース
大和リース RFID活用で商品管理のクオリティ向上
2019年12月2日
建設現場では、そのまま建物として残るものの他に、一時的な使用を目的とするレンタル建物がある。これらレンタル建物部材を現場まで提供する企業もまた、より安全で安心して使用できる商品の提供に努めている。今回はRFIDを活用し商品管理のクオリティを向上させた事例を聞いた。
大和リース(森田俊作社長、大阪市中央区)では昨年の9月から個々のレンタル部材に電子タグを取り付け部材一つ一つ個別に番号を発行することで、メンテナンス・使用履歴・不具合履歴などを個別に管理する取り組みを始めた。
同社では元々、商品を個別にメンテナンスしていたものの、顧客から「今回使用する部材の品質データを確認したい」など希望されるケースもあり、データとしての個別状態管理が課題となっていた。
そこで、2010年に一度、電子タグならびにバーコードを活用した商品管理の実証実験を行ったものの、電子タグは十分な性能が確認できず、バーコードに至ってはメンテナンス作業のうち、洗浄・再塗装などの工程で保護する必要があって、現場の負担増加が予測されたことから見送りとなった。2016年に新たなRFIDの情報を入手した同社が再検証を行った結果、電子タグでの管理効果が認められたことで、今回の導入となったようだ。
同社の生産・デポ推進部業務推進グループの伊藤潤一グループ長は「これまでは、何回使用したか、どんな場所で使用したか、何の不具合が発生したのか、品目単位の管理では確認が困難な部分があった。しかし、RFIDの導入で、メンテナンス・部材管理などで現場に負担をかけることなく、個々の部材の状態をデータ化でき、より安全で安心してお使いいただける商品提供を実現する仕組みができた」としている。
同社では今後、より幅広い種類のレンタル部材にRFID技術を搭載し、電子タグの実装率を高めつつ、商品管理を行う中で得られたビッグデータを基に、不具合発生の傾向分析ならびに消耗材を含むレンタル部材の予防保全などに挑戦していく。加えて人力に頼っている部分に対し、ICTの活用および機械化を進め人的負担の削減と管理品質の安定・均一化を図る。
伊藤氏は「今後の展望として、商品だけでなく、SCMの上流における部分からRFIDを導入し材料段階からの管理や、拠点内の物流でも工程管理など活用できる可能性がある。より安定して、お客様に安心してお使いいただける商品の提供に努めたい」と話している。
◎関連リンク→ 大和リース株式会社
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