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物流ニュース
ホワイト物流推進運動 「持続可能」の実現に
2019年11月1日
深刻なドライバー不足が問題となるなか、国交省では、「トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化」や「女性や60代以上の運転者なども働きやすい、より『ホワイト』な労働環境の実現」のため、「ホワイト物流」推進運動を進めている。同推進運動では、3月に賛同企業の募集を開始、4月にはポータルサイトを開設、5月から全都道府県で各企業や団体を対象とした説明会や講演会を実施したほか、テレビなどを利用した政府広報(随時)、全国10会場で開催するセミナーなどの取り組みで、周知を図っている。
3月に開始した賛同企業の募集では、国交省が経産省や農水省とともに、上場会社など全国の約6300社の企業の代表者に対して「ホワイト物流」推進運動への参加を要請する文書を送付した。
企業は、取り組み方針、法令順守への配慮、契約内容の明確化・順守、運送内容の見直しなどを内容とする「自主行動宣言」を通じて、「ホワイト物流」推進運動に賛同することができ、4月以降、約550社の企業が「自主行動宣言」を提出している。
これまでに、自主行動宣言を行った主な製造業は、キユーピー、日本電気、タカラスタンダード、デンソー、トヨタ自動車、味の素、サンスター、オルビス、カゴメ、ハウス食品、花王など。卸売業・小売業では、ユアサ商事、伊藤忠食品、日本アクセス、三菱食品、セブン―イレブン・ジャパンなど。
8月に自主行動宣言を提出した家具・産業用機器メーカーのオカムラ(中村雅行社長、神奈川県横浜市)は、「物流の改善提案と協力」「配車システムの導入」「集荷先や配送先の集約」「荷主側の施設面の改善」「荷役作業時の安全対策」「繁閑期の平準化」の6つを取り組み項目としている。
取引先を交えた継続的な物流改善提案、トラックの待機時間削減、配車システムでの入門時刻や品揃え完了予定時刻の見える化によるドライバーの労働環境改善、地場配送拠点の整備や納品先により近い物流センターの運営強化による輸送効率の向上など、商慣行や業務プロセスの見直しによる輸送生産性の向上と物流の効率化、事業活動に必要な物流の安定的な確保に取り組むとしている。
続いて9月に同宣言を提出した日用雑貨メーカーのエステー(鈴木貴子社長、東京都新宿区)では、「物流の改善提案と協力」「予約受け付けシステムの導入」「発荷主からの入荷情報等の事前提供」「運転以外の作業部分の分離」「リードタイムの延長」「幹線の共同化推進」の6つを取り組み項目としている。
同社の物流を管理しているエステービジネスサポート(矢内伸二社長、同)ロジスティクスサービス事業部の鳥居義之事業部長は「売り上げに対して物流費が非常に高くなるなどの物流事情の悪化により、社内では、ここ5年くらいで物流への関心が高まっている」と話す。
同5年の間に同社でも、「車両が確保できない」「運べない」といった状況が発生しており、物流を取り巻く環境が大きく変わっていることを実感。「これまで当たり前に届けられていたものが、届けられなくなる可能性がでてきている物流の状況に、危機感を抱いている」という。
そのため、同社では、製造や営業など、それぞれの部署で、持続的・安定的な物流の確保に関心が高まっており、物流に携わる人々の労働環境改善への取り組みも必要であると認識するようになっている。
ただ、こうした状況を改善していくうえで、鳥居事業部長は「取引先に相談しながら取り組んでいるが、取引先の、さらにその先も同じように取り組んでもらえなければ、うまくいかない」としており、それぞれの立場で難しい問題があることも認識している。
同社の取り組み項目のなかで、「予約受け付けシステムの導入」では、納品先の予約受け付けシステムのテストに参加しており、将来的には荷待ち時間の短縮のため、業界標準化を目指している。「我々のわからないところで、ドライバーに負荷をかけている状況を早く改善しなければ、事業が続けられなくなる」としている。
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うちの会社のベテランも60歳近くなったり、それ以上だったりする人間の事故率が上がってる中で60歳以上でも働きやすい環境とか難しいんじゃないの?
昼間のみの地場専門、但し給料は激減とか
トラックのサイズダウンで同条件で激減とか
事務に回してオフィスワークでやはり激減。
どれを取っても社会に於いて都合の良い言い回しばかりで、社会的な責任、刑事的な責任を負う事になった時に会社は守ってくれるのか?
認知能力が下がる中で働きやすいではなく、ただ勤務させる事が可能なだけではダメな気がする。
一定年数働いた人間は通常よりも多くの時間を仕事に費やした事を称賛し、一般で(仮に)70歳から貰える年金を、60歳から同等の金額を受給出来る等して、ドライバーという職業に対して大きなメリットを持たせないと、少子化だからとか世間の言い訳抜きにして人は集まらず、物流は先細りになる一方だと思います。
労務時間を守る、休憩を取る、休日がある。
待ち時間を減らす、物流のパレット化、他。
それを守る事がホワイト化や働き方改革だとは思いません。守った結果、給与が下がるなら結局人は集まらず、退職金はおろか、各種保険等もいい加減な物流業界に明るい日差しが差すと思いますか??言葉は悪いけど、頭数が減ってきたから都合の良い奴隷を集めたい。それがこの国の考え方としてしか見ていません。
面倒なルールが増え稼げないんじゃ意味ないよね。
ホワイトよりゴールド。
根本を間違ってるのよね。
爆笑もんだな(笑)
積みに行きたくない所がオンパレードじゃねーかよ(笑)