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    子どもの貧困対策 物流企業も食品輸送で支援

    2019年11月18日

     
     
     

     埼玉県が事務局を務める「こども応援ネットワーク埼玉」。7人に1人の子どもが貧困状態にあるという現実を受け、貧困の解消に社会全体が取り組むべきとして、企業や団体、個人が社会貢献を行うネットワークの場として設立された。同県が支援先のマッチングなどの手伝いも行っており、7日から首都圏物流(東京都板橋区)が、同県内で子育て中の生活困難家庭などに食料品を配布する活動を行っている埼玉フードパントリーネットワークに加盟するフードパントリーに対し、食品を輸送する支援を開始した。

     埼玉県福祉部企画幹の内田貴之氏は、「現在、県では子どもの貧困対策に力を入れている。7人に1人の子どもが貧困状態にあり、ひとり親世帯では半数が貧困状態にあると言われる。貧困の連鎖をなくし、立派な大人になれるように支援していこうと、子ども食堂や居場所作り、パントリーなどやらせていただいている」という。「日本で最も古いフードバンクであるセカンドハーベスト・ジャパンがあるが、食品メーカーや流通企業から廃棄されるような大量の食品を提供していただいている。ラベルがはがれたものであったり、ハロウィン後のハロウィン仕様の食品など。それらを廃棄される前に寄付していただくことで、食品ロスをなくす意味もある。それを生活困窮家庭に配るという仕組み」と説明する。

     「フードバンクは流通でいうと卸という立場なので、パレット単位でトラックで大量に運び込まれてくるが、配るのは得意ではない」と同氏。「食品を本当に必要としている人に配るための拠点が必要で、その拠点がパントリー。このパントリーを地元の人たちにやってもらいたい。パントリーがフードバンクから食品を仕入れて、それを配るようなシステムで、県内でパントリーを増やしていこうと考えている。4日現在で県内に9か所のパントリーがあり、来年には20か所まで増やそうと考えている」という。

     「問題はやはり物流。フードバンクの拠点が八潮にあり、各パントリーから自分たちが受け取りに行く形をなんとかしたいと考えていたところ、首都圏物流から輸送支援をいただけることになった。複数のパントリーにルート配送していただく。パントリーも毎日やっているわけではなく、2か月に1回などが一般的。近い日程で開催されるパントリーがペアを組んで配送していただくという形でスタートさせていただいた」と説明する。

     実際にパントリーを運営する埼玉フードパントリーネットワーク・子育て応援フードパントリー(越谷市)代表の草場澄江氏は、「ここは昨年からスタートした県内初の子育て応援のフードパントリーで、1年のうちに9か所まで増え、県内に急速に拡大している。ここでは150世帯を受け入れているが、申し込みはもっとある。越谷市の場合は対象者にチラシを配っていただいているので、どんどん広がっている」と説明。「各パントリーによって受け入れ人数には差があり、30世帯のところもあれば60世帯というパントリーもあり、100世帯を超えているのはいまのところウチだけ。フードバンクから提供された食品を箱のまま置き、みなさんに取りに来ていただいている」という。

     「初めてネットワークを立ち上げたのが昨年の2月で、そのときから『運ぶのが大変だよね』という声があった。ファンミーティングの際、『食品輸送に大変困っています。物流関係の方におつなぎいただけると大変うれしい』と話したところ、会場にいらした方から首都圏物流の駒形社長を紹介いただいた」と話す草場代表。「このパントリーまで足を運んでいただき、説明したところすぐに支援を決めていただき、本当に助かった。企業がボランティアというのはすごい話だし、物流業界は人手不足という話も聞いているので、なおのこと奇跡のような感じがする」という。

     パントリーまでの輸送を手がけている首都圏物流(東京都板橋区)の駒形友章社長は「埼玉県だと岩槻にトラックが60台ぐらいのセンターがあり、所沢にも同じ規模のセンターがある。倉庫も3か所あり、多くのパートさんも働いている。従業員の中にもお父さんとお母さんが働いて、子どもが食事を摂れない環境の方や、心の貧困と呼ばれる状況に陥っている方もいる」と指摘。「こういった身近な課題に対して、うちの社員が何か支援するということが一番大切。社員が使命感などを感じやすいかなと考え、やってみようかと聞くと『ぜひやりましょう』と答えてくれた」と説明する。

     「計画的にやっているというわけではなく、運送に対して社員が少しでも誇りを持ってもらえるご縁だと考えた。人はだれしも褒められてうれしくない人はいない。『ありがとう』と言われればうれしい。この物流業界は人から『ありがとう』と言われることが少ない」と同社長。「こういう機会を会社が積極的に取り入れることによって、社員も社会から必要とされているという実感を持ってもらえる。そのためだけだね」と笑う。

     
     
     
     
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