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    荷主に対する「ムダ」の改善提案、重宝されるが危うさも…

    2008年4月22日

     
     
     

     中小の運送会社で徐々に定着しつつあるのが「ムダの改善提案」。荷主企業や、荷主から納品される物品を扱う企業の物流最適化、合理化の中で、業務上の「ムダ」として荷主に提示し、なくすものはなくし、整理するものは整理するという考え方だ。「よき物流パートナー」として重宝され、荷主の唯一無二の存在になりうる。
     ただ、こうした肯定的評価とは裏腹に、ムダの提案は自身をも脅かすことになりかねない危うさをも持ち合わせている。


     神戸市内の中小運送会社は月に2回、社内ミーティングを開く。全員が集うが社員の口は重い。「何かあるやろう」と、40歳代の若手社長が笑みを絶やさずに問い掛ける。徐々に従業員の口が開き始める。社長は「こうしたことの繰り返しが改善提案につながる」と話す。
     ミーティング議題の優先順位は、(1)安全(2)教育(3)利益について。改善提案は(2)に当てはまるという。
     4年前、荷主の積み込み場所でも、荷受け先の企業でも一切検品をしない現場があった。荷物が破損していれば荷主が無償で交換する体制が出来上がっていたから、金銭的なトラブルには巻き込まれなかった。
     しかし、納品を担当していたドライバーが社内ミーティングでこう漏らした。「オレが壊したみたいに思われる」。
     社長は荷主に掛け合った。「検品をしっかりやりましょう」。需要企業は販売ロスが解消でき、荷主も弁済ロスや重複納品がなくなった。ミーティングでのひと言が、企業の収支に影響を与える重要な提案に生まれ変わったのだ。
     「人材が人財であることをつくづく思う」と同社長。従業員が会社を出てしまったら目が届かない業態だからこそなおさらだ。「右肩下がりの時代は業務上の調整が必要。人がもたらす情報なくして提案はできない」。
     兵庫県内の中小規模の運送会社。経済が好調といわれる中部地方からの荷物を関西に運ぶ仕事などを受注し始めた。
     好調の理由は、「1年に一つだけでも、これまでにやっていなかったことをしよう」と社長自身が思うようになったことだ。「やれるかどうかは分からないが、聞くだけ聞いてみよう」と、姿勢が積極的になった。
     そのきっかけは、関東地方にある知り合いの同業者だった。この業者は日本中の現場に駆けつけ、改善提案をしているという。例えば、タンク補充式の液体原料を扱う関東地方の荷主から納品される、岡山県内の需要企業の敷地内でのこと。週に1度、4パックずつ原料を納品していたが、恒常的に1パック、多いときには2パック余っている。
     「1パック減らしましょう」。社長が荷主に掛け合い、荷主の担当から需要企業に再提案された結果、週の納品は3パックになった。トラックの余ったスペースは、積み合わせ貨物も積載が可能になるとの手はずだ。
     「物流という業務面から営業を変える。現場改善の醍醐味だと思う」。兵庫県の業者は、こうした改善事例を聞くにつれ、仕事にやりがいを見出した。
     「さっきの事例でいうと、積み合わせ貨物が見つからなければ運賃や輸送効率の減少にもつながる。物量をたくさん抱えていなければ、改善提案は逆に自分の首を絞めかねない」という見方もしており、慎重な姿勢は崩していない。

     
     
     
     
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