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物流ニュース
ワークシェアサービスのタイミー 物流会社での活用進む プロロジスも出資
2020年1月30日
タイミー(東京都渋谷区)は、「この時間だけ働きたい」働き手と、「この時間だけ働いてほしい」雇用主を結ぶマッチングアプリ「タイミー」を提供している。働き手は面接を受けずに空いた時間にすぐに働くことができる「ワークシェアサービス」で、2018年のアプリリリースから増え続けた登録者は25万人を突破。2019年10月には、物流不動産大手のプロロジスが同社に出資し、物流施設に入居するテナントに「タイミー」の利用を推奨するという。
「1日あたり500人前後がアプリを通して勤務している」と切り出すのは、広報の加藤彩花氏。「利用企業も約2000社・3000拠点の募集がコンスタントに行われている」と語る。
「働き手は、面接や履歴書が不要で、応募への心理的なハードルを下げられる」と説明。出退勤はQRコードをかざすだけで、「利用企業も手軽に導入いただける」と胸を張る。
同サービスは、「マッチングの速さが強み」と語る同氏。「最短8秒で決定でき、いわゆるドタキャンが少ないのも当サービスの魅力」と話す。その理由は、「レビューシステム」と「ペナルティポイント」と明かす。
「レビューシステム」は、働き手と利用企業が互いにレビューを登録・閲覧できるもので、「双方から好評」という。「利用企業は働き手へのレビュー投稿は必須ではないが、丁寧に書くことで、働き手から選ばれるようになるため、お勧めしている」。
「ペナルティポイント」は、働き手が業務をキャンセルした場合に付与されるもので、「無連絡キャンセルは利用が永久停止になるなど、厳しい対応を取っている」と説明。「面接なしで応募可能な点がスキマ時間に稼ぎたい応募者に受けている」という同サービスだが、「安全面を担保しているのがこの仕組み」と解説する。「マッチングは基本的に早い者勝ちだが、ペナルティポイントが多い働き手は企業側からキャンセルできる」。
働き手も企業も、それぞれお気に入り登録することができ、企業側は、お気に入り登録した働き手だけに募集を限定公開することも可能。「企業と働き手が交流を深めて、直接本採用につながるケースもあり、『一人一人の時間を豊かに』をスローガンに掲げる当社としても喜ばしいこと」。
「現在の利用企業の約7割が飲食店」というが、「最近増えてきているのが物流系」という。「ある物流企業では、ピッキングなどの単純作業を抜き出し、当サービスを利用したところ、生産性が2倍に向上した」と事例を挙げる。
同サービスを物流企業が使うコツについて、「業務の切り出しが重要」と指摘するPR統括の釡谷実希氏。「引っ越しの場合は積み下ろしのみなど、業態ごとに切り出せる業務がある。そのマニュアル作りも、サポートチームが無償でお手伝いしている」。
また、利用している倉庫事業者からは、「ピッキングには、ハンディターミナルを用いることが多いが、当サービスの働き手はアプリを使いこなしている若い層が多く、専用端末でもすんなり使えることが多い」という声が寄せられることも。また、「以前は丸1日の勤務で募集に苦戦されていたが、業務時間を短くすることで応募が増えたという事例もある」という。
企業の利用料は、「成功報酬で、働き手の時給×勤務時間プラス30%」とし、「『プラス』という表現は、『働き手の取り分が減るわけではない』という意味」と強調。「『求人広告の掲載など、他の採用活動と比較すればかなりお値打ち』という声もいただく」。
「一連の流れで行う業務を、熟練者が感覚で行うものと単純作業に切り分け、後者をアルバイトに任せられれば、社員は本来の業務に集中できるはず」と語る加藤氏。釡谷氏は、「現在は首都圏と関西、九州の一部だが、今後は対応エリアを増やしたい」と意気込む。
◎関連リンク→ 株式会社タイミー
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