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    白井グループ「環境経営」でイメージ向上、新卒を積極的に採用

    2008年8月1日

     
     
     

     「業界のイメージが悪い」──。物流業界が人材確保に苦しむ理由として、必ず取り沙汰される要因の一つだ。しかし、同じようなイメージを持たれがちな廃棄物収集業界にありながら、「新卒採用は30─40倍という狭き門になっている」という会社がある。
     白井グループ(東京都足立区)は、リサイクル事業を展開する白井エコセンターと、東京23区の家庭ごみ収集・運搬などを手がける白井運輸のグループ2社が保有する車両全54台について、燃料を軽油からパーム油由来のバイオディーゼル燃料に転換。これにより、軽油を使用した際に比べて、年間で約40tのCO2削減効果があるという。


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    バイオ燃料を使用している車両
     物流業界で導入企業も増えつつあるBDFの活用だが、廃棄物収集業界では「これだけ大掛かりに導入している企業は他にないはず」(白井エコセンターの滝口千明社長)という。「PRの意味も含めて、他社に先駆けて導入を進めた」という同社は、自社で給油所を保有しているなど条件面でのアドバンテージを生かし、六月から全車両への導入に踏み切った。
     しかし、これは同社の環境への取り組みの一例に過ぎない。たとえば、アウトドアブランド・パタゴニア製のリサイクル素材を使用したユニフォームの採用。「エコプロダクツ」など環境イベントへの出展。また、「ケータイゴリラ」は、不要となった携帯電話を同社が回収。機器に含まれる金属をリサイクルし、得られた収益を野生動物保護基金に全額寄付するプロジェクトだ。さらに、「フジロックフェスティバル」など大型音楽イベントでの廃棄物収集・リサイクルを手がけていることも、若者へのPRとなっている。
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    環境イベントでのPR活動
     これらの取り組みの多くが、「若手社員のアイデア」というから驚きだ。同社は数年前から新卒採用を開始。「人材」の重要性に気づいた同社長は、「営業活動よりも採用活動を優先したほど」に力を入れたという。これにより、一時は経営が赤字に落ち込んだが、「くじけずにその方針を貫いた」。
     入社した新卒社員にアイデアを求めても、「最初は、使い物にならないものが多かった」。しかし、「チャンスを与えることで人は育つ」と信じ、若手社員からの提案を受け入れ、仕事を任せ続けた。
     その結果、社員は順調に成長。同社は実力・イメージともに「環境ビジネス」の第一人者として業界内外に定着するとともに、数人の採用枠に志望者が殺到する優良企業への転換に成功した。「新卒採用を実施すること自体が珍しい」(同社長)という産廃業界の中で、実に希有な成功例と言える。
     「チャンスがある会社だと感じた」と入社を決めた要因を分析する百瀬友三香さん(白井運輸・営業部)は新卒第一期生。CO2の削減策を滝口社長直々に求められた彼女は、6月に「CO2ダイエットプロジェクト」を全社的に立ち上げた。入社3年目にして、早くも経営陣の期待にこたえ始めている。
     滝口社長は、「グッドサイクルができあがっている」と同社の現状を表現。採用活動や、社会にPRする取り組みの実施には費用もかかる。しかし、結果として企業イメージの向上や売り上げ増が実現している。同社を訪れた際の雰囲気の良さが、同社長の言う「『グッドサイクル』とは何か」の一番の説明になるだろう。
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    映画「アース」にも協賛。左奥が滝口社長
    ◎関連リンク→白井運輸

     
     
     
     
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