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    韓国物流視察レポート(2)仁川港「対中国貿易が増加」

    2008年9月24日

     
     
     

     北東アジアでの物流ハブ拠点を目指す仁川は、国際空港に加え、中国北東部とソウルを中心とする首都圏地域に近接した立地を生かし、政府と仁川港湾公社(IPA)が中心となって港湾と背後物流団地の整備を積極的に進めている。
     首都圏地域は、韓国の人口と地域総生産の48%、産業団地面積の4分の1を占める一大消費圏であり生産圏。それに加え、対中国貿易の増加を背景に仁川港では近年、コンテナ貨物処理の実績が急増。05年は114万8000TEUだったが、06年は137万7000TEU、07年は166万TEUを処理。08年は7月で既に100万TEUを超え、年間で200万TEUを超える見込みだ。コンテナ貨物は毎年、20%以上と猛烈な勢いで増えている。


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    コンテナ専用埠頭の南港
     仁川港は自動車・雑貨、原木・穀物などを扱う内港(48バース)、鉄材・原木・雑貨などの北港(14バース)を中心に現在89バースを擁し、昨年は年間1億3800万tを処理した。
     なかでも南港は、仁川港のコンテナ物量の60%を処理するコンテナ専用埠頭で、4000TEU級の大型コンテナ船の接岸が可能。年間92万TEUの荷役が可能な5バースを有しているが、今年中に新たに2バースが竣工、更に80万TEUの処理が可能になる。
     南港内に1バースを設けているICTターミナルは、シンガポール港湾公社(PSA)の投資を受けている。300mの岸壁に50tのコンテナクレーン3基、ヤードクレーン8基、40万TEUの荷役能力を有しているが、今年中に50万TEUの荷役能力を持つ同規模の施設を稼働させる。
     仁川港は20年には全体で152バースまで増設する予定で、530万TEU、2億4700万tの貨物処理能力を見込んでいる。開発を進めている新港はこの年には30バース中、23バースをコンテナ用として建設する。
     港湾物流団地の大規模な開発も併せて進められており、20年には1252万5000平方mが新たに造成される。南港近くに造成された児岩(アアム)物流第一団地は昨年、分譲が終わった。この中にある韓国の有力3PL企業・ファイン(和仁)通商の物流センターは1月に稼働している。
     敷地面積2万5000平方m、建物は1万9000平方m、保管能力は2万パレット。1か月に入るコンテナは800TEU。保税倉庫で外国からの輸入商材を首都圏の売り場まで直送する。土地賃貸料が安く、1坪(3.3平方m)年間4000円程度という。
     造成中の第2団地は80万坪。土地も同程度の価格で使用でき、これから2年間で入居企業を選定する予定。
     来年10月に仁川大橋が完成することで、国際空港と港湾の間が20分程度で結ばれる。空港と港湾の近くに大規模な物流団地が配置されていることから、安価な物流センターをからめた付加価値の高い「シー&エア」物流モデルが爆発的に動き出す可能性を秘めている。
     例えば、「シー&エア」モデルでは、中国の工場から出荷された製品がその日のうちに中国の港を出ると、次の日には仁川港に着き、仁川国際空港まで運ばれる。その次の日には海外の空港まで飛び、トラックで目的地まで運ばれる。
     また、「エア&シー」モデルでは、日本の空港から出た荷物がその日のうちに仁川国際空港に到着、仁川港で積み替えて、翌日には中国の港湾からトラックで目的地まで運ばれる。
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    物流団地を造成中
     空港と港湾と産業団地を連携させ、従来より時間、コストを削減できる物流モデルを提供することで、仁川は貨物と投資を呼び込み、発展していこうとしている。(玉島雅基)

     
     
     
     
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