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物流ニュース
ピックアップ 新たな物流網構築に物流パートナー企業募集
2020年2月25日
越境ECの成長が止まらない。各国で自国に無い品質・価格の商品をオンライン上で購入する動きは活発化しており、2020年には100兆円を超える市場規模になると、経産省の電子商取引に関する市場調査結果でも発表されている。しかし、依然として物流コストは高く、時間もかかりがちだ。今回はアプリを通じて新たな流通網を構築しようとチャレンジを続けている企業を取材した。
PicUApp(ピックアップ、田中悠斗社長、東京都北区)は、ソーシャル・ショッピング・アプリ「HAKOBIYA」を提供している。海外からの渡航予定者に、買い物報酬を提示・交渉し、買い物代行を依頼できるこのアプリは現在、日本とベトナム間で運用されており、来年には更に11か国間で運用予定だという。
同社がこうした越境サービスを展開する理由は、国際物流のコストの高さと時間だ。田中社長は「過去に外国にいた頃、米を送ってもらおうとしたら送料が1万4000円必要だった。急ぎで欲しい商品であっても1日、2日で届かないのが越境ECでは珍しくない。HAKOBIYAは旅行者の予定によっては翌日に購入も可能となる上、送料にあたる代行報酬は個々の交渉でいくらでも変化可能」としており、「販売店運営者にとっても、HAKOBIYAを通じた国際マーケティングが可能となる。国内であればニーズが無い商品であっても、アプリを通じ平均年齢・生活などが異なる地域へ売り込む形で新たな市場開拓が可能になる」としている。
また同社は、アプリを通じたトラブル対策として、ユーザーへ外務省からの通達を共有している他、不正なやり取りおよび禁止品の監視、出品取り消しなどの措置を取っている。出品禁止品はユーザーに告知される上、順次各国の弁護士らと協議のうえ、内容を更新していくとのこと。更に通関に関するガイドラインも作成していく。
同社長は「サービス内容を創造していただきやすいように、HAKOBIYAと名付けたことで、税関の注意喚起ポスターなどにある運び屋を連想させてしまう面はあるかもしれない。しかし、あくまで一度、自分で一般商品を購入し、それを渡航先の人に渡すという仕組みなので、利用者は普段の買い物をするのと何ら変わらない」としている。
なお、同アプリ上では商品の受け渡しについて、空港などで直接手渡しするケースが多々存在し、同社も「HAKOBIYAでの買い物が、新しい旅行体験につながるのでは」としているが、一方で宅配ロッカーのような自動受け渡しボックスを用意しているケースもある。既にベトナムでは増設計画も進行中だ。国内外でコンビニ受け取りも検討されている。
加えて同社では物流パートナーも同時に募集中。サプライチェーンが完成した暁には、空港・駅などから遠方へ配送サービスが可能となる予定。社長は「まだ、どの企業にオファーをしていくのか決定していない。バイク便なども含め幅広く検討していく。空港からのワンストップ配送、コンビニなど受け取り指定場所への混載輸送が可能な企業が望ましい」としており、続けて「当社のモットーはHack all,Be young。HAKOBIYAの名前もこれをもじったものでもある。世界の若者に優れたマーケットを提示し、快適な生活を応援したい」としている。
◎関連リンク→ 株式会社PicUApp
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