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労務管理
未払い残業代 請求されないために
2018年3月1日
ドライバーによる未払い賃金請求が運送会社で数多く発生している。退社したドライバー数人から何千万円の請求を受ける運送会社も存在し、運送会社にとって頭の痛い問題だ。こんな中、自社でも労組が結成されている大阪市の運送A社では、残業代未払いは、今まで一度も発生していないと語る。その理由として同社では、基本給、これに伴う残業費を重視し、さらに歩合という形で賃金を支払っているという。
A社社長は「運送会社から、残業代未払い請求に関してよく相談を受けるが、どの運送会社も基本給は適当で、残業賃金は無視した状態で歩合を重視していることが多い。基本給は最低賃金から算出して、それに対して残業賃金を計算、そして歩合給をプラスした形が必要。ドライバーの賃金は、総額賃金の三分の一が、それぞれ基本給・残業賃金・歩合として考える必要がある。相談に来た運送会社の賃金体系は、この比率ではなく、賃金総額の三分の二が歩合、三分の一が基本給プラス残業となっていた。基本給と残業代を明確に計算することで、仮に残業代未払い請求をされたとしても、残業賃金の全てが未払いにはならない。争ったとしても大きな請求額にはならないので、賃金体系は明確にすべき」と指摘する。
また、労務問題に詳しいコンサルタントは「運送会社からの相談で、残業代未払い賃金請求が行われた場合、その運送会社では高額な給与を渡していると言うが、(就業規則などの)賃金支給の項目がでたらめで、明確な時間計算がされていないケースがほとんど。明確に残業時間や、それへの対価の計算をドライバーに示すことが重要」と説明した。
手間と時間は必要だが、賃金体系を適切に見直すことが重要なのではないだろうか。
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