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労務管理
残業代未払い請求、和解か裁判か 請求額の倍の金額に…
2019年5月2日
運送会社では残業代未払いに関するトラブルが多く発生し、一部の運送会社では裁判にまで発展しているケースもある。
実際に、裁判になった会社と、裁判までには至らず話し合いで和解したという運送会社に話を聞くことが出来た。
大阪府堺市に本社を構える運送A社は今から2年前、長年勤めたドライバーから未払い賃金の請求を受けた。
同社は10人未満の運送会社であったことから、就業規則の労働基準監督署への提出義務がないため作成せず、ドライバーにも周知徹底を図らなかった。
さらに、給与明細に残業賃金の記載が全くなかったことから、2年間さかのぼって残業賃金を求められ、地方裁判所で争った。
同社にとっては不利な内容ばかりで、弁護士からは「万一、判決を求めても敗訴すれば、現在、請求を受けている金額に対して付加金が付随するため、倍の請求を受ける可能性も高い」と説明され、さらに裁判官からも和解を促されたことから同社では和解することになった。
A社では請求金額の支払いと地裁まで持ち込んだことでの弁護士費用と裁判費用など、和解金とは別に数百万円の費用が生じたという。
「裁判に持ち込む前に、互いの弁護士同士での話し合いで和解すれば、費用も時間も要することはなかった」とA社社長は語る。
一方、同市に本社を構えるB社では、2年前に退社したドライバーから残業代の未払い請求を起こされ、担当弁護士から「裁判に持ち込んでも、付加金が加算され、請求額に対して約2倍から3倍になる」と説明されたことで、地裁に持ち込む前に互いの弁護士同士の話し合いで和解を成立させた。
B社では、請求額に加えて依頼した弁護士費用だけで済み、A社と比較して時間も短く、費用も掛からなかった。
A社の社長も、「B社のように、冷静な判断が出来ていれば、費用や時間を要することなくスムーズに和解が出来たかもしれない。裁判に持ち込んでも、会社側が敗訴するケースが大半。残業代未払いでの裁判で会社側が勝訴したケースはほとんどないようなので、裁判に持ち込む前に和解することが利口なのかもしれない」と経験を話す。
B社にA社の話を伝えると、「当初は、裁判まで持ち込んで、とことん争うつもりであったが、弁護士の助言で結果は分かった。まれに裁判で争って勝訴した話は聞いたことがあるが、あらかじめしっかりした就業規則と勤務時間の管理、さらには賃金体系や、それに対する説明と理解を求めていないと会社側の勝訴は厳しいと言われたので、早い段階で和解できたのはよかった」と語った。
いつ自社に発生するかわからない残業代未払い請求については、専門家に依頼し、就業規則はもちろん、賃金体系やそれに関する資料の整理、さらには労働者の勤務時間の管理の徹底を行うことで、未然にムダな争いも解消できる。時間と費用は掛かっても一種の保険と考え、取り組むことが重要のようだ。
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俺も訴えますわ
試算で600万貰えるらしいんで
ボンボン社長がブチ切れして裁判所まで行ってくれたら1200万以上確定
こんな美味しい話し乗らないでどうするの?
請求総額1000万越えました
付加金合わせたら2000万円オーバー
小遣い稼ぎに訴えた者勝ちやで
新法対応出来ん昭和脳の経営者は淘汰されろ