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射界
2018年3月19日号 射界
2018年4月19日
社会の一員として生きる中で、公私の別なく、いつの場合にも「信頼」をベースとして行動する大切さを忘れてはならない。人間社会を見捨てて生きることはできない。多少なりとも何らかの利害関係の中で暮らすのが普通だ。その秩序を保つのが相互の信頼関係。互いに信頼感をもつことだ。
▲企業体に身を置く立場であれば、上司や部下の間に相互信頼がなければ、通常の関係は成立しない。この点について多くの古賢が強く諭し、「上に立つ者は『恕(じょ)』の心を持ちなさい」と教える。平易に言えば「自分が、人からして欲しくないと思っていることは、自分のほうからも人にしないこと」だと言う。相手の立場になって考えなさいと諭している。
▲では「仁」と、どこがどう違うか。仁とは「お互い人間じゃないか」という親近感から、「思いやり」の気持ちを引き出しているので、広い意味で「仁」に「恕」も含まれていると言える。実社会の例でいえば「上司が実行できないことを、権限を使って部下に押し付けてはならない」の意味だ。端的に言えば上司自らが「率先実行しなさい」ということでもある。
▲人は、往々にして我が身の優位性を求めて「猫なぜ声」で部下に接することがある。あたかも「仁」の実践者を装う。表情や動作は一見、「仁」に満ちているが見かけでしかない。これは極端の例だが〝大を生かすのに小を殺すもやむなし〟といった局面で「仁」を気遣って優柔不断に陥ってはならない。「仁」にしろ「恕」にしても改めて使い方の難しさを悟る。
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