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射界
2018年4月23日号 射界
2018年4月30日
人には、それぞれ固有の魅力を備えている。魅力と言っても目には映らない。磁石の磁力が見えないのと同じで、自分には分からなくても周囲の人は感じるもの、それが魅力だ。「私には、とてもとても」と謙遜する人もいるが、魅力をその人が固有する「取り柄」と考えれば、理解しやすいだろう。
▲「あなたの魅力は」と尋ねられると、ほとんど否定的な答えが返ってくる。人それぞれにある謙虚さがそう答えさせるからだが、これもその人の魅力と言えなくもない。一般的に、過度の謙遜は自分の欠点を気にしすぎるからでる言葉と言われる。しかし、それを直すのは容易ではない。そうであれば逆に自分の「取り柄」を磨けばよく、それで魅力的になる。
▲魅力といっても外面と内面がある。外面には、身だしなみやマナー、言葉遣い、振る舞いと例を挙げればキリがない。内面としては気配りや思いやり、素直さ、優しさなど、これまた限りがない。ある西欧の賢者は「外面的な魅力は、一番外側にある内面的魅力」と表現していたが、そんな人間の魅力も磁石と同様に強弱が変化して簡単に入れ替わることがある。
▲魅力も年齢によって変化する。社会的経験を重ねて多くの知識を学んで魅力が増す人もいれば、現状に甘んじて次第に魅力が薄まる人がいる。できれば魅力を増したいと願いながら、イギリスの劇作家で童話作家のジェームス・バリーの「魅力があれば他に何もいらない。魅力がないなら、他に何があろうと役に立たない」という箴言を心に刻んで生きたい。
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