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射界
2018年8月20日号 射界
2018年8月27日
「苦あれば楽あり」と古賢は教える。確かに一理ある。しかし、単純に苦しみの後に楽が訪れると思っては早計だ。そんな甘い期待に魅せられ、じっと楽を待ち望んでおれば叶えられるのであれば、この世に苦悩する人などいないはず。現実はそうではない。相変わらず苦悩に満ちた人々で溢れる。
▲マラソン選手を思い起こせば理解が早い。炎天下を走り抜けてゴールした選手は、いずれも常人では想像できない苦に苛まれて走り続ける。走り続ければ金メダルを獲得できるとは限らない。競技に出るまでに過酷な練習を経験し、厳しい体調管理や調整を経て本競技に出場する。ライバルとの駆け引きもあり体調を整えての走りで、栄冠を求めての作戦がある。
▲ビジネスで栄冠を獲得する人々も、目的達成までに相応の苦難がある。苦しいからと、じっと手を拱いていても目標が向こうから近づくことはない。一刻も早く苦境から抜き出るための創意工夫を凝らし努力する。そこに成功の女神が微笑み、楽が忍び寄ると考えたい。拱手傍観では苦が続くだけ。苦しんで成功できるなら誰もが簡単に成功しているだろう。
▲苦しんでいる人は、ともすれば世間に同情と理解を求めて言い訳をしたがるところがある。しかし、やるべきことは苦しみを人に言いふらして同情を求め同意してもらうことでなく、少しでも環境が好転するよう努力することだ。苦を感情的に肯定しても楽にはならない。楽しい思いを目指して努力することが肝心である。楽しさを目指し努力することに尽きる。
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