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射界
2019年2月25日号 射界
2019年3月4日
×△イズムのように語尾に「イズム」や、人を表す「イスト」をつけて表現する言葉が出始めたのが19世紀と言う。当時、資本主義(キャピタリズム)や社会主義(ソウシャリズム)の台頭と一致する。経済動向を論じるのがエコノミストと言われ、多彩な顔触れが輩出して経済の動きを論じた。
▲エコノミストがもてはやされる半面、彼らの予測が外れたとしても、彼らは「予想しなかった外的要因に伴う影響」の一語で済ますところがあった。この弁解を聴いて皮肉屋の一人は「エコノミストとは、自分の知らぬことをしゃべり、聞く人を、自分は何も知らないのだという気にさせる人」と酷評した。アメリカの経済学者ジョージ・ミーニ氏の言葉だ。
▲ある大学の経済学教授は講義の冒頭、いつも「景気の変動は〝当たらなくて当然。誰も予測できない〟と前置きして始まるのが常と評判だった。そう言えば『悪魔の辞典』(1906年)の著者アンブローズ・ピアスは「スペシャリストとは、何かにつけて知っているが、その他のことは何一つ知らない人」と断じている。皮肉屋じゃないが、どこか同感できる。
▲かつてのバブル景気。エコノミストは挙って先行きに同調したが、結末は哀れだった。その経緯を分析した東谷暁氏は自著『エコノミストは信用できるか』で、「経済の専門家は、いつも同じ間違いを繰り返す人」と評した。『悪魔の辞典』とも共通するが、専門バカゆえにはまる陥穽だが「あてにならないのは天気予報と経済予測」の渦から早く抜け出したい。
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