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射界
2019年10月14日号 射界
2019年10月21日
「石の上にも三年」という。辛抱していれば、やがて成功するという、忍耐力が大切だというたとえだ。「石に齧り付いてでも」とは、どんな苦労、困難でも耐えること。いったん、社会人になって会社勤めをスタートさせたなら、少々のことは耐えて、自身の成長が大切と言われてきた。
▲しかし、現在では新卒3年目の退職率は3割と言われている。その原因の多くは「人間関係に不満」「時間外労働が多い」との理由だ。「石の上にも三年」という考えはそこにはなく、「逃げるが勝ち」と「脱兎のごとく」会社を去ってしまう。自身に合っていないと思えば、わずか数日で辞めていく者も少なくない。会社としてはたまったものではないだろう。
▲もちろん、辞めていくものにも理由がある。「人間関係に不満」と一口に言っても中身は千差万別だ。「仕事は教えられるものではなく、盗むものだ」などと言おうものなら、パワハラだとして労基署に駆け込まれてもおかしくない。教え方ひとつにも気を使わねばならず、「習うより慣れろ」とはいかない。事業者には辞めさせない努力も必要となっている。
▲「機に因りて法を説く」という。どんなに優れた道理でも、いい機会を捉えて説法しなければ、人の心を動かすことができないというたとえだ。どんなにいいマニュアルを教えるにしても、なぜマニュアル通りにしなければならないか納得させなければ何の意味もない。せっかく入社した人材を辞めさせてしまい、「元の木阿弥」にだけはしたくない。
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