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    小惑星探査機「はやぶさ」で活躍する物流技術

    2010年6月18日

     
     
     

     13日に地球に帰還したJAXA(宇宙航空研究開発機構)の小惑星探査機「はやぶさ」。数々の困難を乗り越えて地球に帰ってきた本体は大気圏で燃え尽き、小惑星イトカワの砂などの物質が入ったカプセルは大気圏突入前に切り離されオーストラリアの砂漠に着陸した。カプセルにイトカワの砂などが入っていれば、世界で初めて小惑星で直接採取した物質となる。この宇宙のロマンと日本の技術力を実感させるプロジェクトに、日本の物流技術も活躍している。カプセルの輸送には、精密機械の除振輸送機器などを開発・販売する松田技術研究所(MRD、松田真次社長、東京都板橋区)のエアサス技術が採用されている。自動車メーカーから独立し、物流関連でも数々の製品を開発してきた松田社長に話を聞いた。


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     MRDは、防振輸送に使用するエアサスパレットや高強度・軽量の航空コンテナ、郵便配達バイクの集配キャリーボックスなどを開発・販売している会社だ。「はやぶさ」が持ち帰った貴重なカプセルを、オーストラリアの砂漠から日本まで安全に運ぶために、同社のエアサス輸送技術が採用されている。

     これは08年に、東大工学部教授から同社のエアサスの性能を聞いたJAXAから連絡を受けたのが始まりだという。JAXAから要求される内容の重要さと責任を実感しつつ、同社のエアサスが要求に応えて結果を出す確信があった同社は、球状エアサスを使った回収ボックスを開発する。JAXAからの要求は、輸送中の振動を1.5G以下にすること、オーストラリアの大陸をジープで運び、飛行機で日本まで輸送できること、などだった。

     開発から10年目を向かえる同社のエアサス技術は、パレットや航空コンテナに使用することで、ウレタンフォーム(発泡剤)やエアサス車輸送よりも大幅に振動と衝撃をなくした輸送を実現。その能力は、競合した大企業の技術をはるかに凌いだようだ。

     松田社長は「今の車ユーザーは技術を評価しなくなった。ボンネットすら開けない。技術に疎くなっている」と指摘。さらに、「メーカーもユーザーも評価する側も『大企業病』にかかっている。有名メーカーや大企業イコール安全で高性能という思い込みで判断している」。MRDは従業員8人の企業だが、企業規模にとらわれずに技術を評価し、認めてくれたJAXAに感謝している。

     同社長の夢はさらに広がる。エアサスは真空の宇宙では使えないことから、新技術の球状金属サスペンションを開発。これは従来のコイルスプリング、リーフスプリング、ゴム、エアサスに続く「第五のサスペンション」とも評価される製品で、製造コストもエアサスより安いという。この球状サスペンションは宇宙開発での活躍が期待されるほか、物流機器への展開が計画されている。

     一つは鉄道輸送への応用だ。モーダルシフト推進の障壁でもあった鉄道輸送の速度と振動の問題は、球状サスを使用して低コストで実現できる。貨車が時速130キロを超える場合や、50両編成でのエアサスのコンプレッサーの能力の課題などを解決できるという。さらに、国際輸送における精密機器輸送などの防振対策でも期待されている。

     閉塞感のある日本経済について、「日本に欠けているのは創造力」という同社長。新たな技術開発にさらに挑む。(千葉由之)

     
     
     
     
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