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    燃料不足を回避 日ごろの姿勢が奏功

    2011年4月11日

     
     
     

     東北、関東地方を襲った東日本大震災によって、燃料の供給が困難になるなどトラック業界にも大きな影響が出た。発生当初は、給油できずに仕事を断る事業者の姿もあった。徐々に供給体制が整い、落ち着きを取り戻しつつあるが、地震発生直後から燃料を確保し、仕事を断らずに走り続けた事業者の姿もある。同社は、荷主から絶大な信頼を得ただけでなく、新たな荷主の獲得にもつながったという。なぜ、燃料を確保できたのか。そこには、日ごろから取引先を大事にするという経営者の真摯な姿があった。



     震災の影響で燃料供給がままならないという問題に直面したトラック業界。スタンドに並ぶトラックの大行列も、そこかしこに見られた。

     「仕事の依頼があっても、断らざるを得ない状況」と、燃料不足を理由に仕事を断るケースもあった。埼玉県の事業者も燃料確保が容易ではなかったというが、「大行列に並んで給油する必要はなく、対応できた」という。震災発生後、ディーラーに問い合わせた同社社長は、ディーラーから「大丈夫」との返事をもらった。

     「いつも通りとはいかなかったが、優先して燃料を入れてくれた」と同社長は話す。なぜ、同社は優先して給油が可能になったのか。「日ごろの付き合い方が大切ではないか」と指摘する。

     同社によると、軽油ディーラーとは20年近い付き合いになるという。その間、支払いが滞ったこともなければ、支払い期日を延ばしたこともない。さらに、「軽油の値上げの際、交渉はするが、文句は言わなかった」。

     運送会社は軽油を使用する側で、ディーラーにとっていわば客の立場。そのため、ディーラーに文句を言うなど、とかく強く当たりがちになる。しかし、同社長は「軽油がなければ我々は仕事にならない。だからディーラーも大切な取引先」との考えから、荷主と同じように接してきたという。

     「会社の付き合いといっても、末端は心のある人間の付き合い。そこを大事に考えている」。大震災と、それによる燃料不足という未曾有の事態に直面した緊急時に、同社長の日々の姿勢が生きた。

     「優先的に燃料を供給してもらったおかげで、荷主の仕事を断ることもなく遂行でき、大いに感謝された」という。さらに、「困っている会社から新たに仕事を依頼され、その結果、新しい荷主を得られた」と、新規開拓にもつながった。「立場がどうであろうと、取引先すべてを大切にすることが大事なことだと実感した。会社全体で、こうした考えを浸透させるべく取り組んでいきたい」と話している。(高田直樹)

     
     
     
     
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